◎マリと隣国ブルキナを中心とするサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。
マリの首都バマコで28日、国連マリ多次元統合安定化派遣団(MINUSMA)の駐留に反対する集会が開かれ、数百人が参加した。
デモ隊はロシアの国旗を掲げ、MINUSMAに撤退を要求した。
地元メディアによると、デモを主催したのは軍事政権に近い地元の政治・活動家グループ。
デモに参加した女性はAFP通信の取材に対し、「マリとロシアの合同部隊はテロリストを圧倒している」と語った。「国連は必要ありません!」
マリと隣国ブルキナを中心とするサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。
この10年にわたる紛争に巻き込まれ難民になった民間人は200~300万人、死者は数万人と推定されている。
2020年8月のクーデターで政権を掌握したゴイタ(Assimi Goita)大佐はロシアとの関係を強化し、民間軍事会社ワグネルと契約を結んだ。これにより、旧宗主国フランスの関係は著しく悪化した。
仏軍は昨年、マリの駐留軍を完全撤退させ、その多くを隣国のニジェールに再配備した。ドイツもMINUSMAから部隊を撤退させると決め、イギリスも時期は未定だが、MINUSMAから部隊を撤退させると発表している。
マリ軍は最近、中部の過激派に大規模攻撃を仕掛けたと伝えられている。MINUSMAは今週公表したレポートでマリ軍が過激派とつながりのある民間人も殺害していると報告した。
マリでは来年大統領選挙が行われる予定だ。一部の専門家は軍政の支配下に置かれる反国連国家で公正な選挙が行われる可能性は低いと指摘している。