イスラム過激派がマリ東部の軍事施設襲撃、暴力激化

マリとその隣国ブルキナおよびニジェールは10年以上にわたってアルカイダやISIS系組織と戦ってきた。
アフリカ西部・マリ共和国、陸軍のパトロール部隊(Getty Images)

アフリカ西部・マリ共和国の2つの軍事施設がイスラム過激派の攻撃を受けた。軍当局が5日、明らかにした。死傷者の情報はない。

それによると、事件はマリ東部のブルキナファソ国境近くにある2つの施設で4日深夜から5日未明に発生。増援部隊を派遣し、対処したという。

それ以上の詳細は明らかになっていない。

その後、国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力JNIM(Jama'at Nusrat al-Islam wal-Muslimin)が犯行声明を出した。死傷者には言及していない。

軍事政権の報道官はコメントを出していない。

ロイター通信は情報筋の話しとして、4日午後にブルキナファソとニジェールとの国境付近にある軍事キャンプが「武装テロリスト」の襲撃を受け、軍が空挺部隊を投入したと報じている。

犯行声明を出した組織は確認されていない。専門家はイスラム国(ISIS)系組織が関与している可能性があると指摘した。

マリとその隣国ブルキナおよびニジェールは10年以上にわたってアルカイダやISIS系組織と戦ってきた。

3カ国は軍事クーデター後、旧宗主国フランスや米国との関係を断ち、サヘル諸国連合(AES)を形成してロシアに接近。マリ軍政はロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、一般市民を巻き込みながら過激派を掃討している。

3カ国では5月初めから基地や町で反乱勢力による襲撃が相次ぎ、400人を超える兵士が殺害されている。

JNIMは5月31日と6月1日にマリ北部の世界遺産都市トンブクトゥにある軍事基地を襲撃したとされる。

この襲撃では30人を超える兵士が殺害されたとみられる。

軍政は2日の声明で、「テロリストは軍部隊の防衛網に屈し、撤退を余儀なくされた」と述べたが、死傷者には言及しなかった。

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