マリでアルカイダ系組織の攻撃急増、燃料配給制導入へ、軍政が発表
これは国際テロ組織アルカイダと関係のある武装勢力が国境地域で燃料輸送を標的とする攻撃を強化し、燃料供給が減少したことを受けた措置である。
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アフリカ西部・マリの軍事政権は23日、国内の深刻な燃料不足に対応するため、燃料の配給制を導入する方針を明らかにした。これは国際テロ組織アルカイダと関係のある武装勢力が国境地域で燃料輸送を標的とする攻撃を強化し、燃料供給が減少したことを受けた措置である。
軍政の発表では、配給制の開始時期は明確にされていないものの、ガソリンスタンドに長蛇の列ができる現状を改善する狙いがあるとしている。特にイスラム教の断食月ラマダンが間近に迫る中で、燃料の公平な配分を確保する狙いが強調された。
マリは内陸国であり、燃料の大部分を隣国からタンクローリーで輸入しているが、ここ数カ月間で輸送路が武装勢力の攻撃により甚大な被害を受けている。報道によると、これまでに100台以上のタンクローリーが焼かれ、流通が大きく停滞している。輸入業者団体は年初から入国したタンクローリーは約2000台にとどまり、攻撃激化以前の月平均約6000台に比べ大幅に減少していると報告している。
配給制の内容は、車両ナンバーによる登録と給油間隔の制限が含まれており、一般車両は72時間ごと、オートバイは48時間ごとに給油可能とする予定だ。軍政はこの制度により、燃料の不均衡な消費を抑制し、供給を安定化させることを目指している。
一方で、現場からは懸念の声も上がっている。首都バマコのタクシー運転手はAP通信の取材に対し、「私たちタクシー運転手にとっては非常に厳しい。稼ぎが少ない中で、こんな制限では仕事にならない」と述べ、燃料制限が日常生活や生計に与える影響を危ぶむ声が聞かれる。
軍政はロシアの民兵組織「アフリカ軍団(Africa Corps)」の部隊を燃料輸送隊の護衛に充てており、燃料供給路の安全確保を図っている。しかし、治安情勢が改善する見通しは立っておらず、専門家は「武装勢力による供給路への攻撃は今後も続く可能性が高く、燃料輸送の安定化は依然として大きな課題だ」と指摘している。
マリは2021年の軍事クーデター以降、西側諸国との関係を断ち切り、ロシアとの協力を深めている。軍政はこの姿勢を治安維持と経済安定のための戦略的選択としているが、燃料危機は国民生活や経済活動に深刻な打撃を与えており、軍政への不満が高まる可能性があるとの見方も出ている。
専門家は燃料供給の回復には長期的な安全保障対策の強化と、安定的な輸入ルートの確保が不可欠だと指摘している。配給制は当面の対応策とみられる一方で、武装勢力の脅威が続く中で、根本的な解決には至っていないとの分析が出ている。
