◎マラウイでは今年2月に約30年ぶりとなるポリオ患者が報告された。
アフリカ南部のマラウイは3月20日からポリオワクチンの全国接種を開始する予定である。
アフリカ大陸は2020年にポリオウイルスの撲滅を宣言したが、マラウイで今年2月に感染者が報告され、感染拡大の懸念が高まっていた。マラウイでポリオ感染が報告されたのは1992年以来約30年ぶり。
ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の子供がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることも珍しくない。死亡率は地域によって異なるがワクチン未接種の小児で2~5%、成人は15~30%、妊婦はさらに高いと推定されている。
マラウイの保健当局によると、政府は680万回分の経口ポリオワクチンを確保しており、全29地区の5歳未満の未接種者に投与する予定だという。
世界保健機関(WHO)のマラウイ担当であるカンバレ博士は先日の声明で、「目標は全地域の5歳未満の児童250万人全員にワクチンを投与すること」と述べた。
マラウイ政府は定期的にポリオワクチン接種を行っており、保健当局によると、対象者の80%はワクチン接種済みとのこと。
医療機関はポリオワクチンを無料で提供する。対象者は一定の間隔を取って4回接種を受ける必要がある。
マラウイとWHOのチームは先月のポリオ感染確認後、国内に監視施設を11カ所設置し、調査と監視を進めている。
また衛生当局も地方自治体を通じてポリオに関する情報を国民に発信し、必要に応じて感染予防対策を取るよう呼びかけている。
WHOによると、2月に報告された感染者は異なるポリオウイルスに感染していたため、それに対応する経口ワクチンを準備したという。政府は定期接種で1型、2型、3型ウイルスに対応したワクチンを提供している。
モザンビーク、ジンバブエ、タンザニア、ザンビアなどの近隣諸国も同様のキャンペーンを開始した。