◎カバは縄張り意識が強く、特にメスは非常に攻撃的で、脅威と思われるものから子供を守ろうとする。
アフリカ南部・マラウイの警察当局は16日、国内最大の河川「シーレ川」を渡っていた船がカバと衝突・転覆し、1歳の男児が死亡、23人が行方不明と発表した。
当局によると、船には近くの畑で仕事を終えた農民や子供が多数乗船していたという。
シーレ川にはカバやワニが多数生息しており、過密状態の船で渡るのは勇気がいる。
当局は目撃者の話しとして、「いきり立ったカバが船に突撃した」と説明しているが、それ以上の詳細は明らかになっていない。
AP通信によると、ボートに乗っていた14人が自力で川岸にたどり着いたり、近くの集落の住民に助けられたりしたという。
1歳児の遺体は警察が収容した。
事故はマラウイ南部のモザンビーク国境に近い地区で15日午前に発生した。
警察の報道官はAPに、「シーレ川で行方不明者の捜索活動を続けている」と述べた。
地元メディアによると、この地域で生活する住民は命がけでシーレ川を渡らなくて済むよう、自治体に橋の建設を繰り返し要請してきたという。
この川では過去に何度も村人が溺れたことがあるようだ。しかし、自治体によると、カバの攻撃で船が転覆したという話は聞いたことがないという。
カバは世界で最も危険な陸上生物のひとつである。マラウイでは国立公園で遊んでいた子供や漁師が襲われている。
カバは縄張り意識が強く、特にメスは非常に攻撃的で、脅威と思われるものから子供を守ろうとする。
統計によると、アフリカ大陸では毎年、少なくとも500人がカバに襲われ死亡しているという。