◎食料、燃料、肥料の価格高騰は最も弱い立場の人々を死地に追いやっている。
国連世界食糧計画(WFP)は27日、アフリカ南部マラウイの食料価格高騰に深刻な懸念を表明し、多くの貧困層が飢餓に直面していると警告した。
WFPのフィリ(Tomson Phiri)報道官は27日の記者会見で、「マラウイの危機はウクライナ侵攻の影響で劇的に悪化した」と語った。「洪水、干ばつ、コロナの大流行、そしてウクライナ侵攻の影響で数十万人が深刻な食料危機に陥っています」
国連によると、マラウイの人口(約1900万人)の約50%が1日2ドル以下で生活する超極貧状態にあり、食料、燃料、肥料の価格高騰は最も弱い立場の人々を死地に追いやっているという。
マラウイのパンの全国小売価格はこの3カ月で約50%上昇した。小麦の価格も40%以上値上がりしたと伝えられている。
フィリ氏はマラウイ政府と協力して緊急食料支援、現金給付、児童の栄養支援などを行っていると説明した。
フィリ氏によると、同政府はインフレを軽減するために4月1日から一部の商品の付加価値税(日本の消費税)を一時的に停止したが、効果は限定的だという。
WFPは毎年マラウイの市民約150万人に支援を提供している。
国連によると、WFPは昨年、洪水や干ばつの影響を受けた約40万人に対する配給を資金不足の影響で削減せざるを得なかったという。
フィリ氏は、「今年の洪水で被害を受けた約2万2500世帯に必要な食事を3カ月間提供するためには290万ドルが必要」と説明した。
また難民や庇護希望者約4万8000人に最低限の食事を提供するためには、さらに340万ドルが必要とした。
マラウイを含むアフリカ南部の一部の国は今年始めのサイクロン災害で壊滅的な被害を受け、数十万人が避難を余儀なくされ、数万人がホームレスになった。