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マラウイで「ポリオ」ワクチン接種キャンペーン始まる

ワクチン由来ウイルスは従来型の経口ポリオワクチンに含まれる弱毒化ウイルスが変異し、新たな感染源になるものだ。
2026年2月11日/マラウイ、首都リロングウェの小学校、ポリオワクチン接種の様子(AP通信)

アフリカ南東部・マラウイで今週、子どもたちに対するポリオ(小児まひ)の予防接種キャンペーンが開始された。長年にわたる世界的な根絶努力にもかかわらず、この感染症はいまだ完全に撲滅されていないことを再認識させる動きとなっている。

マラウイ最大の都市ブランタイアでは11日、教室に並んだ子どもたちが口から投与する経口ワクチンを受けていた。世界保健機関(WHO)と各国の保健当局は35年以上にわたりポリオ根絶を目指してきたが、現在も根絶には至っていない。

WHOによると、2025年1月から10月までに天然型ポリオウイルスによる感染は世界で38例報告され、いずれもパキスタンとアフガニスタンの2カ国で発生している。一方、ワクチンから派生したポリオウイルスの症例は13過去で151例に上り、最近ではこちらの発生が天然型を上回る状況となっている。

ワクチン由来ウイルスは従来型の経口ポリオワクチンに含まれる弱毒化ウイルスが変異し、新たな感染源になるものだ。今回のマラウイでの接種キャンペーンはこのワクチン由来のタイプ2ウイルスがブランタイアの下水から検出されたことを受けて実施されている。保健省は検出を受けてWHO規則に基づきアウトブレイクを宣言し、1歳未満の子どもを中心に約170万回分の新型ワクチンを供給するとしている。

保健省は12日の声明で、「今回のワクチンは検出されたウイルスに対する防御効果を持つものだ」と述べ、迅速な接種実施の重要性を強調した。同省は新型ワクチンが循環性ワクチン由来ポリオウイルスのアウトブレイク阻止に効果があると説明している。

ポリオは感染力が強く、治療法がない感染症で、感染者の神経系にダメージを与え永久的な麻痺を引き起こすことがある。汚染された水や食物を介して広がり、WHOによると、感染者の200人に1人が下肢などの麻痺を発症するとされる。20世紀前半には毎年数十万人の子どもが麻痺に苦しんだが、1950年代以降のワクチン普及により劇的に減少した。

世界的なポリオ根絶運動の成果は大きく、天然型ポリオウイルスは1988年の125カ国から2か国へと激減し、総発生数も99%以上減少した。しかし、根絶という目標は未だ達成されていない。

マラウイは2022年に30年ぶりに天然型ポリオの感染例を記録し、その際も大規模な予防接種キャンペーンを実施した。その後しばらくウイルスは検出されなかったが、今回のワクチン由来ウイルス検出は再び警戒を強める結果となった。

国連児童基金(ユニセフ)のマラウイ責任者は声明で、「最初は8地区の子どもを対象とするが、最終的には全国規模の取り組みになる」と述べ、全ての子どもがワクチンを受けることが根絶への道と訴えた。

予防接種活動は学校や家庭を巡回する形で進められ、特に地方では衛生教育や地域イベントが併せて行われている。WHOの専門家は「ポリオが脅威でることに変わりはない」と指摘し、全ての地域での完全接種が達成されなければ根絶は遠いと警鐘を鳴らしている。

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