◎世界のマラリア患者の約90%はアフリカ大陸で報告され、毎年20万人以上の子供が亡くなっている。
マラリアワクチンを準備する医療従事者(Getty Images)

世界保健機関(WHO)は8日、2020年-21年の世界のマラリア感染および死亡者数がコロナウイルス感染拡大の影響で大幅に増加したと発表した。

WHOが8日に公表した報告書によると、コロナの影響でマラリア対策が思うように進まず、2020年-21年の世界の感染者は1300万人加算されたという。この結果、死亡者数も当初の予想より6万3000人ほど増加した。

2020年の感染者は19年から大幅に増加。21年の増加ペースは緩やかになったものの、19年以前に比べると明らかに多い。

WHOは▽コロナの影響でマラリア対策に必要なサービスが中断した▽発展途上国のマラリア対策が影響を受けたなどと報告している。

また昨年と一昨年だけで120万人以上が死亡したとしている。この感染急拡大はコロナ封鎖やそれに伴う混乱がもたらしたと考えられている。

WHOは「世界のマラリア対策は停滞しつつある」と警告したうえで、課題をいくつか挙げている。

その中でも▽殺虫剤に耐性を持つ新種の蚊の出現▽資金調達が最大の課題だという。

アフリカ地域では耐性を持つ蚊が報告されているようだ。そして、それに対抗する研究開発資金の調達が難しくなっている。

WHOは「世界経済の減速、ウクライナ侵攻、コロナの拡大で資金調達はより困難になっている」と報告している。

マラリアの震源地はアフリカ大陸である。WHOによると、昨年の世界の死亡者数約61万9000人のうち、95%がアフリカ大陸で報告されたという。

世界のマラリア患者の約90%はアフリカ大陸で報告され、毎年20万人以上の子供が亡くなっている。

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