マダガスカル新首相にラジャオナリソン氏、汚職対策の専門家
マダガスカルは世界で最も貧困率の高い国の一つで、政治的不安定さや行政の腐敗が経済発展の障害になってきた。
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アフリカ南東部沖の島国マダガスカルで15日、金融犯罪対策機関の責任者であるラジャオナリソン(Mamitiana Rajaonarison)氏が首相に任命された。任命したのは軍を率いるランドリアニリナ(Michael Randrianirina)大統領で、数日前に首相と閣僚全員を解任していた。
ランドリアニリナ氏は国営テレビでの演説で、ラジャオナリソン氏の起用について「国家をより清潔な道へ導き、国民の希望を取り戻す役割を担う」と説明した。また汚職の根絶と国家統治の再建を目指す姿勢を強調し、誠実さと独立性を持つ人物として期待を示した。ラジャオナリソン氏はコメントを出していない。
ラジャオナリソン氏は1973年生まれの行政官、元軍人である。これまで資金洗浄やテロ資金対策を担う金融情報機関SAMIFINのトップとして、不正資金の追跡や汚職対策を担当してきた。反汚職機関BIANCOでも長く捜査部門を率いるなど、汚職・腐敗対策の専門家として知られている。
今回の人事は3月9日にランドリアニリナ氏が首相と閣僚全員を突然解任した直後に行われた。解任の理由は明らかにされていないが、政権運営の立て直しを目的とした大規模な体制変更とみられている。
マダガスカルでは政治情勢が大きく揺れている。2025年10月に若者を中心とする抗議デモが拡大し、当時の大統領であるラジョエリナ(Andry Rajoelina)氏が軍事クーデターの末、退陣に追い込まれた。軍出身のランドリアニリナ氏はその後すぐに権力を掌握、大統領に就任した。政権は現在、「国家再建(リファウンデーション)」と呼ばれる政治改革を掲げ、行政の信頼回復や腐敗対策の強化を重要課題としている。
新首相の任命はこうした改革路線を進めるための象徴的な人事とも受け止められている。汚職対策の実務を担ってきた人物を政府のトップに据えることで、国家機関の透明性向上や統治能力の強化を図る狙いがあるとみられる。
マダガスカルは世界で最も貧困率の高い国の一つで、政治的不安定さや行政の腐敗が経済発展の障害になってきた。新政権には政治の安定と経済再建を同時に進める難しい課題が待ち受けている。ラジャオナリソン氏が腐敗対策の実績をどこまで政府運営に生かせるのか、国内外から注目が集まっている。
