▽国連などによると、ゴマ市内における過去3日間の戦闘で100人以上が死亡、1000人近くが負傷し、数十万人が近隣州や隣国ルワンダに避難したという。
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コンゴ民主共和国最大の反政府勢力M23(3月23日運動)が東部・北キブ州の州都ゴマの広い範囲を支配下に置き、国軍兵士に投降するよう呼びかけている。
M23は27日、ゴマを支配下に置いたと主張した。
政府はゴマが攻撃を受けていることを認めたが、占領には言及していない。
国連などによると、ゴマ市内における過去3日間の戦闘で100人以上が死亡、1000人近くが負傷し、数十万人が近隣州や隣国ルワンダに避難したという。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。
1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。
国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。
政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。
M23はこの数週間で支配地域を拡大し、ゴマを包囲していた。
ゴマには国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の本部と南部アフリカ地域圏の基地があり、郊外の避難民キャンプでは少なくとも200万人がテント生活を送っている。
現地メディアによると、29日、ゴマ市内で大きな戦闘は確認されていないものの、北部の少なくとも5地域で爆発や銃撃戦が断続的に続いているという。
M23の報道官はX(旧ツイッター)への投稿の中で、「我々は政府の支配下にあるゴマ市内の最後の拠点を攻撃し、まもなく管理下に置くことになる」と書いた。
また報道官は市民に対し、「政府を追い出し、平和を確立すると約束する」と呼びかけた。
さらに、「降伏した兵士の身の安全を保証する」と強調した。
ロイター通信によると、ゴマ市内の至る所にM23の戦闘員とルワンダ軍の兵士が展開しているという。
ルワンダ軍はゴマの空港を占拠したとされるが、詳細は不明。コンゴ政府はコメントを出していない。
AP通信は地元当局者の話しとして、「M23の大隊が隣の南キブ州の州都ブカブに向かっているという情報がある」と伝えている。
コンゴの首都キンシャサでは国連がルワンダ軍を支援しているという偽情報が拡散。在ルワンダ、ウガンダ、フランス、米国大使館がデモ隊の攻撃を受ける事態となっている。
コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
政府はISIS系組織「民主同盟軍(ADF)」の攻撃にも対処する必要があり、厳しい戦いを強いられている。
ADFはウガンダで発足した反政府勢力。1990年代半ばから北キブ州などに拠点を置き、民間人数千人を虐殺したと告発されている。