◎コンゴ軍と反政府勢力「3月23日運動(M23)」は北キブ州郊外で激戦を繰り広げている。
反政府勢力「3月23日運動(M23)」の戦闘員(Getty Images)

コンゴ民主共和国東部で攻勢を強める反政府勢力「3月23日運動(M23)」は7日、政府が停戦協定に違反したため、武器を取らざるを得なかったと主張した。

M23の報道官はAP通信の取材に対し、「政府は我々が北キブ州の集落を襲い、市民を殺し、家を焼き尽くし、家畜を屠殺したと主張しているが、それは全部間違いであり、民間人を虐殺しているのは兵士たちだ」と述べた。

また報道官は軍が停戦に応じない限り戦い続ける警告し、国際社会に対し、軍の暴力で避難を余儀なくされた市民を保護するよう求めた。

M23は6日の声明で、北キブ州から撤退する用意があると発表していた。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。昨年11月頃から活動を活発化させた。

コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘しているが、ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺で告発されているフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられる。

M23は今年6月、ウガンダ国境に近い戦略的に重要な町を占領した。コンゴ軍は占領地の奪還を目指しているとみられる。

M23の報道官はAPに対し、「停戦を受け入れるか否かは軍次第であり、軍が攻撃をやめない限り武器を置くことはない」と述べた。「我々は平和を望んでおり、それを実現する唯一の手段は対話だと確信しています」

コンゴ政府によると、北キブ州の状況は日を追うごとに悪化し、M23は州都ゴマから20kmの地点まで支配地域を広げたという。

コンゴとルワンダの両首脳は先月、アフリカ連合(AU)仲介の協議で即時停戦を目指すことに合意したが、戦況は改善せず、むしろ悪化しているように見える。

東アフリカ共同体(EAC)の指導者たちはM23が支配地域を広げたり、市民を虐殺したりすれば、大きな代償を支払うことになると警告していた。

EACは6月に締結された協定に基づき、この地域に部隊を派遣している。ケニア軍は兵士900人以上を展開した。南スーダンも兵士750人を派遣する予定である。

政府は6日、M23が北キブ州郊外にあるキシシェ村を襲撃し、住民270人以上を虐殺したと明らかにした。

独立系シンクタンク「国際危機グループ(ICG)」は報告書の中で、M23はコンゴの安全保障に深刻な影響を与え、人道的危機を引き起こし、この地域全体に影響を及ぼす可能性があると警告している。

またICGは、「暴力は北キブ州を越えて隣国ルワンダやその他の地域に拡大し、戦争に発展する恐れがある」と指摘している。

2022年11月7日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマ、軍の動員令に応じた若者たち(Moses Sawasawa/AP通信)
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