◎この男はアブデル・ラーマン・ミラドと名乗り、国連安全保障理事会から制裁を受け、指名手配されていた。
アフリカ北部・リビアに拠点を置く人身売買組織のリーダーとされる男が首都トリポリで殺害された。現地メディアが1日に報じた。
それによると、この男はアブデル・ラーマン・ミラド(Abdel-Rahman Milad)と名乗り、国連安全保障理事会から制裁を受け、指名手配されていたという。
AP通信は西部政府当局者の話しとして、「ミラドはトリポリ近郊の地区で何者かに射殺された」と伝えている。
地元メディアはミラドがトリポリ西部の地区で車に乗っていたところを撃たれたと報じた。SNSで拡散した動画にはミラドとみられる男性の遺体と銃弾の跡がある白いSUVが映っていた。
トリポリに拠点を置く西部政府はコメントを出していない。東部政府も同様である。
地元メディアは東部政府を率いるバシャガ(Fathy Bashagha)首相と連帯する民兵リーダーの話しとして、「ミラドは素晴らしい男だった」と報じている。
リビアには西部と東部に2つの政府が存在する。政治的な行き詰まりと争いは分断を招き、混乱が収束する見通しは立っていない。
西部のドベイバ(Abdul Hamid Dbeibah)首相と対立する東部のバシャガ氏は沿岸都市シルトに拠点を置き、21年3月頃から権力闘争を続けている。
軍閥トップの実力者である元国軍将校のハフタル(Khalifa Haftar)司令官は東部政府を支援している。