◎独裁者ムアンマル・カダフィ大佐の次男であるセイフ・イスラム氏は人道に対する罪でハーグの国際刑事裁判所(ICC)に出廷を求められているものの、応じていない。
2011年11月19日に公開された写真/リビアのセイフ・イスラム氏(Abdel Magid al-Fergany/Getty Images/AFP通信)

12月2日、リビアの裁判所は独裁者ムアンマル・カダフィ大佐の次男であるセイフ・イスラム氏の大統領選立候補を認め、選挙管理当局の決定を覆した。

現地メディアによると、南部サブハー県の地方裁判所はイスラム氏の立候補を認めたという。高等選挙委員会は先週発効した禁止候補者リストの中にイスラム氏を加え、「2011年の革命後に有罪判決を受けている個人の立候補を禁止する」と述べていた。

リビアの民兵軍は2011年10月にカダフィ大佐を討伐したが、革命で重要な役割を果たしたハリファ・ハフタル司令官率いる東部軍と首都トリポリの国連支援政府はその後激しく対立し、リビアは世界で最も危険な国のひとつになった。

イスラム氏も2011年11月に拘束され、2015年に死刑判決を受けたが、2017年6月に釈放された。同氏は人道に対する罪でハーグの国際刑事裁判所(ICC)に出廷を求められているものの、応じていない。

革命で重要な役割を果たしたハフタル司令官やアブドゥルハミド・ドベイバ暫定首相を含む有力候補者たちも大統領選への立候補を表明している。

大統領選挙(議会選挙含む)の第1ラウンドは12月24日に行われる予定。AP通信などによると、今回の裁判所の決定に異議を申し立てることができるかどうかは分からないという。

リビアの民主主義を確立する国連と西側諸国の取り組みは、総選挙で重要な局面を迎える。

2014年に本格化した内戦は昨年の停戦協定である程度収束したが、小規模な戦闘や小競り合いは続いており、一部の専門家は総選挙の結果に納得できない者が再び暴力に打って出る可能性があると警告した。内戦に関与する武装勢力はロシア、トルコ、シリア、その他の地域大国の傭兵や兵士の支援を受けている。

高等選挙委員会によると、12月2日に北西部の都市アジージーヤと首都トリポリの投票所に武装した男たちが押し入り、施設を破壊したうえで、投票用紙を2,000枚以上盗んだという。

国連安全保障理事会は先月末、リビアに総選挙の結果を受け入れるよう強く促し、暴力とフェイクニュースに惑わされないよう警告した。

リビアは現在、今年2月の国連会議で選出された暫定政府が率いている。

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