◎リビアの石油埋蔵量は世界で9番目、アフリカでは最大。
3月6日、リビアの国営石油会社は武装民兵が2つの主要油田を占領したため、1日あたりの原油生産量は33万バレル減少し、100万バレルを下回ったと発表した。
国営石油会社によると、武装民兵はリビア最大のシャララ油田とエル・フィール油田のバルブを閉め、生産を事実上停止させたという。
同社の責任者は異常事態に対処する法的手段を取ると明らかにした。公式ホームページに掲載された声明によると、同社は2つの主要油田が操業を停止することで1日あたり3,460万ドル(40億円)以上を失うことになるとのこと。
また責任者は政府の緊急事態局と警察に抑止策を講じ、閉鎖の計画者、実行者、受益者を明らかにするよう要請した。同社によると、施設を占領した武装民兵は2014年と2016年にも同様の手口で原油生産を一時的に停止させた。
首都トリポリの政府当局者はAP通信の取材に対し、「油田を占領した武装民兵はトリポリの南西約136kmに位置する山間の町ジンタンの部族」と明らかにした。
この地域の部族指導者は民兵に占領した施設を解放するよう呼びかけていると伝えられているが、詳細は分かっていない。
リビアの石油埋蔵量は世界で9番目、アフリカでは最大。
ロシアのウクライナ侵攻で世界の原油市場は混乱し、価格は1バレル115ドルを超えた。
今回の事件は「2つの政府」の対立が激化する中で発生した。
リビアの民兵軍は2011年10月にカダフィ大佐の討伐に成功したが、革命で重要な役割を果たしたハリファ・ハフタル司令官率いる東部軍と首都トリポリの国連公認政府はその後激しく対立し、リビアは世界で最も危険な国のひとつになった。
東部の都市トブルクの議員らは3日に暫定内閣を発足させたが、首都トリポリには国連公認政府がある。