◎巡視艇は6日、北西部沖で不審な船を発見、拿捕した。
イタリア、南部ランペドゥーサ島沖、欧州を目指す移民(Getty Images)

アフリカ北部・リビアの沿岸警備隊が欧州への亡命を希望する移民を乗せた船を沖合で拿捕し、64人を拘束した。当局が7日、明らかにした。

それによると、巡視艇は6日、北西部沖で不審な船を発見、拿捕したという。船には女性や子供を含む64人が乗っていた。国籍は明らかになっていない。

沿岸警備隊は新たな人身売買を防ぐために、この船を焼き払ったとしている。

リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカ・中東・アジアの亡命希望者の中継地になっている。

今週4日には東部トブルクの沖合でエジプトとシリアの移民32人を乗せたボートが転覆し、1人が死亡、22人が行方不明となり、沿岸警備隊はその後、22人の捜索を打ち切った。

国際移住機関(IOM)によると、昨年リビア沖で死亡が確認された移民は962人。少なくとも1563人が行方不明になったという。

今年1月から8月末までに間に死亡が確認された移民は434人、行方不明者は611人となっている。リビア沿岸警備隊が今年拘束した移民は1万4000人を超えた。

人身売買業者は近年、リビアの混乱に乗じて利益を上げ、多くの移民をイタリアなどに密入国させている。

移民たちは頼りないゴムボートや木造船に詰め込まれ、地中海に放り出されるのだ。

国連によると、リビアに送還された移民は強制労働、暴力、強姦、拷問などの虐待が横行する政府運営の拘置所に収容されるという。

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