◎リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカ・中東・アジアの亡命希望者の中継地になっている。
アフリカ北部・リビア沖で欧州への亡命を希望する移民を乗せたボートが転覆し、1人が死亡、9人が救助され、22人が行方不明になっている。沿岸警備隊が3日、明らかにした。
それによると、このボートは東部トブルクの沖合数十キロの地点で転覆。これを目撃した漁船が沿岸警備隊に通報した。
救助された9人はトブルクの港に移送され、警察に引き渡された。
地中海で活動する地元の援助団体アブリーン(Abreen)によると、このボートはトブルクの東方15キロに位置する地区を出港。その後、エンジンが故障し、転覆したという。
ボートに乗っていたのはエジプトとシリア出身者と伝えられている。
リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカ・中東・アジアの亡命希望者の中継地になっている。
昨年12月には女性や子供を含む少なくとも61人の移民が西海岸沖で死亡した。
国際移住機関(IOM)によると、昨年リビア沖で死亡が確認された移民は962人。少なくとも1563人が行方不明になったという。
今年1月から8月末までに間に死亡が確認された移民は434人、行方不明者は611人となっている。リビア沿岸警備隊が今年拘束した移民は1万4000人を超えた。
国連によると、リビアに送還された移民は強制労働、暴力、強姦、拷問などの虐待が横行する政府運営の拘置所に収容されるという。