◎リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカ・中東・アジアの亡命希望者の中継地になっている。
リビア北部の地中海(Getty Images/AFP通信)

緊急医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」は8日、アフリカ北部・リビア沖で移民とみられる11人の遺体を収容し、イタリアの沿岸警備隊に引き渡したと発表した。

それによると、MSFはドイツのNGOシー・ウォッチからの通報を受け、イタリアのランペドゥーザ島沖に救助船を派遣。シー・ウォッチと協力して、11人の遺体を収容したという。

シー・ウォッチは声明で、「11人の身元は不明。遺体回収のため、リビアの沿岸警備隊に連絡を取ろうとしたが、返事はなかった」と明らかにした。

MSFはSNSに声明を投稿。「11人が遭難した時期を特定することはできないが、私たちは彼らが欧州への亡命を試み、危険な海域に乗り出したことを理解している」と述べた。

それによると、MSFの船は今週の活動中に救助した移民165人をイタリア北部ジェノバ港に移送する予定。

MSFはイタリア政府に対し、すぐ近くのランペドゥーザ島への移送を許可するよう求めている。

リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカ・中東・アジアの亡命希望者の中継地になっている。

国際移住機関(IOM)によると、昨年リビア沖で死亡が確認された移民は962人。少なくとも1563人が行方不明になったという。

地中海亡命ルートは世界で最も危険な航路であり、IOMによると、昨年そこで行方不明になった移民は3000人以上にのぼる。

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