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リビア当局、「秘密施設」から200人以上の移民を救出

安当局が地下約3メートルにわたる施設を発見し、人身売買に関与した疑いで摘発したもので、一部の移民は最長で2年間にもわたり過酷な環境で拘留されていたという。
アフリカ北部・リビアの港、沖合で保護された移民(Getty Images)

アフリカ北部・リビア当局は18日、同国南東部クフラの「秘密施設」で拘束されていた200人以上の移民を救出したと明らかにした。治安当局が地下約3メートルにわたる施設を発見し、人身売買に関与した疑いで摘発したもので、一部の移民は最長で2年間にもわたり過酷な環境で拘留されていたという。

ロイター通信は治安筋の話しとして、「この地下施設はクフラ市内にあり、リビア国籍の人身売買業者が運営していた」と伝えている。当局によると、容疑者は捕まったおらず、軍と警察が追跡している。

ロイターの取材に応じた当局者は「解放された移民の中には、地下の独房に最大2年間拘束されていた者もいる」と述べた。また別の関係者はこの摘発について、「この地域でこれまで明らかになった中でも最も深刻な人道に対する犯罪の一つ」と指摘した。

解放された移民の多くはサハラ以南のアフリカ諸国出身で、ソマリアやエリトリアから来た女性や子どもを含むとされる。クフラは南東部に位置し、首都トリポリから1700キロほど離れている。リビアは欧州を目指す移民や難民の通過地点となっており、2011年のカダフィ政権崩壊以降、紛争と治安の混乱が長引く中で密航や人身売買が横行している。

治安情勢の脆弱さは、移民たちをさらなる危険にさらしている。砂漠を越えて地中海を渡る過酷なルートに加え、国土内での拉致や拘束、人身売買が後を絶たない状況だ。解放作戦の直前には、東部で少なくとも21人の移民の遺体が集団墓地で発見され、救出された10人の生存者には拷問の痕跡が見られたと報じられている。また昨年2月にはクフラ周辺で55の集団墓地から39人分の遺体が発掘されるなど、深刻な事案が相次いでいる。

検事総長はこれらの事件に関連して、当局が被告を裁判に付す手続きを進めていると声明で述べた。起訴内容には移民に対する人権侵害が含まれているという。人身売買や違法拘束に関与した疑いがある者の責任追及は進められているものの、国内の法執行能力や司法の独立性には依然として課題が残されている。

専門家は、リビアが欧州を目指す移民にとって重要な中継地点である一方、紛争や政治的分断によって統治機構が弱体化していると指摘する。これにより人身売買組織や武装勢力が活動しやすい環境が生まれ、移民たちは暴力や搾取の危険に常に晒されている。国際社会は複数の人道危機を受けて対応を迫られており、移民保護の強化と人身売買摘発の必要性が改めて浮き彫りになっている。

今回の摘発はリビア国内で蔓延する人身売買と不法拘束の実態を象徴する出来事として注目されている。解放された移民のその後の保護や支援、ならびに関与者に対する法的措置の徹底が求められている。

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