◎ラ・パルマ島の火山は10月2日の早い時間に活動をさらに活発化させ、山頂の火口付近にできた新たな2つの亀裂から溶岩が噴き出した。
スペイン領カナリア諸島の現地メディアによると、ラ・パルマ島の火山は10月2日の早い時間に活動をさらに活発化させ、山頂の火口付近にできた新たな2つの亀裂から溶岩が噴き出したという。
ラ・パルマ島の南端近くに位置するクンブレ・ビエハ山は19日の午後3時過ぎに噴火し、これまでに6,000人以上が避難を余儀なくされ、少なくとも1,000軒の家屋が破壊された。死傷者は報告されていない。
ラ・パルマ島の当局者によると、2つの亀裂の長さは約15mほどで、溶岩は再び島の南西部に位置する市街地に向かって流れたという。
クンブレ・ビエハ山の活動を監視しているカナリア諸島の緊急火山対応部門の責任者、ミゲル・アンゲル・モルクエンデ氏は、「2日の噴火は9月19日の活動開始以来、最も攻撃的だった」と述べた。
モルクエンデ氏によると、1日深夜から2日の朝にかけてクンブレ・ビエハ山周辺で少なくとも8回地震を観測したという。2日未明に発生した噴火の噴煙は高度6,000mに達したと報告されている。
溶岩は南西部の市街地と道路を飲み込み、先日大西洋に到達した。政府当局は衛星とドローンを使って監視を続けており、大西洋に到達し冷え固まった溶岩の面積はわずか数時間で0.2㎢(東京ドーム4個分)広がったと報告されている。
当局は海岸沿いの地域で空気の汚染状況を監視している。報告によると、周辺地域の二酸化硫黄の値は上昇したが、現時点で健康被害をもたらすレベルの汚染は確認されていないという。溶岩と海水が接触すると塩素を含む有毒ガスが放出される可能性がある。
当局は声明の中で、住民に屋内にとどまるよう警告し、外出する際は火山灰から身を守るためにマスクと目の保護具を着用するよう呼びかけた。
スペインの科学者によると、クンブレ・ビエハ山から放出された溶岩の量は約8,000万㎥に達し、1971年の噴火の2倍を超えたという。
ラ・パルマ島の人口は約85,000人、島の主要産業は果実の栽培で、今回の噴火はバナナ農園に深刻な影響を与えたと伝えられている。