◎ケニアの選挙で論争・抗議・暴力は珍しくない。
ケニア大統領選に出馬し敗れた野党党首のオディンガ(Rila Odinga)議員は20日、選挙管理委員会の集計に異議を唱え、法的措置に打って出ると発表した。
大統領選を含む総選挙の投票は今月9日に行われ、大統領選の結果は15日に確定した。しかし、選挙管理委員会の委員7人のうち4人が集計結果を「不透明」と指摘し、承認を拒否した。
オティンガ氏はルト(William Ruto)副大統領の勝利を認めず、選挙管理委員会の当選証明書を「紙くず」と呼び、集計結果を「ジョーク」と非難した。
<ケニア2022大統領選 開票率100%>
▽ウィリアム・ルト 7,176,141票(50.5%)
▽ライラ・オディンガ 6,972,930票(48.5%)
▽その他2候補 90,956票(0.6%)
選挙管理委員会のチェブカティ(Wafula Chebukati)委員長はルト氏の勝利を宣言したものの、委員4人が結果に異議を唱えたため乱闘が発生。結果を承認した委員3人がオティンガ氏の支持者に殴られ負傷する事態に発展した。
結果に異議を唱えた4人はチェブカティ氏を非難し、「選挙管理委員会は透明性に欠けている」と告発した。
ケニアの選挙で論争・抗議・暴力は珍しくない。
2007年の選挙では票が盗まれたという主張が拡散し、暴力に発展。少なくとも1200人が死亡、60万人が国内避難民になった。
オティンガ氏の陣営は最高裁に嘆願書を提出する予定。提出期限は8月22日で、最高裁は2週間以内に判決を下る。異議申し立てが認められた場合、60日以内に再選挙を行わなければならない。
オティンガ氏は20日、SNSの投稿で宗教指導者と会談したと報告し、「正義がなされることを望んでいる」と述べた。「選挙管理委員会の不正を正し、平和を見出さなければなりません...」