◎抗議デモは概ね平和的に行われていたが、一部の暴徒が店舗を略奪したり、パトカーや家屋に火を放った。
ケニアのルト(William Ruto)大統領は26日、政府与党の増税法案を撤回すると発表した。
ルト氏は記者会見で、「国民がこの財政法案は受け入れられないと声を大にして言っていることを鑑み、譲歩した」と語った。
またルト氏は「政府与党も撤回に合意した」と述べた。
ナイロビを含む都市部では2週間ほど前からこの法案に抗議するデモが続き、一部で暴動に発展。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、機動隊の取り締まりにより、少なくとも23人が死亡、300人以上が負傷したという。
ルト氏は「人命が失われ、国の資産が破壊され、憲法が冒とくされたことを遺憾に思う」と強調した。
政府与党は国民健康保険料の引き上げ、植物油や燃料の増税などを提案していた。
ルト氏と与党議員は先週、国内で販売される全てのパンに16%の消費税を課す案と自動車税の引き上げを法案から削除した。
抗議デモは概ね平和的に行われていたが、一部の暴徒が店舗を略奪したり、パトカーや家屋に火を放った。
警察はこれを厳しく取り締まり、実弾、催涙ガス、放水砲などを使用。数百人を逮捕した。