ケニア警察、テロ行為を煽った容疑で人権活動家逮捕

ケニアではこの1カ月、全国各地で国家警察と政府与党に抗議するデモが行われ、一部の暴徒と警察が衝突した。
2025年6月17日/ケニア、首都ナイロビ、警察に抗議するデモ(AP通信)

アフリカ東部・ケニアの捜査当局が先月の反政府デモに関連し、「テロ行為」を助長した容疑で、著名な人権活動家を逮捕した。警察が20日、明らかにした。

それによると、首都ナイロビの捜査官は19日、南部マチャコスで人権活動家のムワンギ(Boniface Mwangi)容疑者を逮捕・送検したという。

捜査官はムワンギの自宅を家宅捜索し、未使用の催涙ガス缶2個と7.62mm空砲弾1発、携帯電話2台、ノートパソコン、ノートを差し押さえたと報告している。

ナイロビ警察はX(旧ツイッター)への投稿で、「ムワンギはテロを助長した容疑と、爆発物を所持した容疑でも起訴される予定だ」と書いた。

地元メディアによると、ムワンギは有名な活動家で、議会選に立候補したこともある。

5月にはタンザニアの野党議員の裁判を傍聴するために旅行し、滞在先のホテルで逮捕後、強制送還された。

ケニアではこの1カ月、全国各地で国家警察と政府与党に抗議するデモが行われ、一部の暴徒と警察が衝突した。

独立警察監視機関(IPOA)によると、ナイロビなどの都市部で被害が拡大し、多くの建物や車両が破壊され、過去1カ月間で少なくとも50人が死亡、数百人が負傷し、500人以上が逮捕されたという。

ナイロビでは1カ月ほど前から男性ブロガーの死に抗議するデモが続いている。

オンラインメディアなどに記事を投稿していたアルバート・オワンガ(Albert Ojwang、31歳)さんはナイロビ中央警察署に連行された後、死亡した。

警察は当初、オワンガさんが留置場内で自殺したと主張していたが、その後謝罪し、捜査を開始したと明らかにした。

オワンガさんは先月初め、西部のビクトリア湖近くの町で逮捕され、ナイロビに連行された。

警察は逮捕の理由について、「オワンガさんがソーシャルメディアで警察幹部に関する虚偽の情報を拡散した」と説明していた。

この事件を調査するIPOAは1週間後、解剖の結果、オワンガさんが暴行を受けた可能性が高いと指摘。同署の幹部らを逮捕したと明らかにした。

6月25日の暴動では少なくとも19人が死亡。7月7日にもデモが暴動に発展し、31人が死亡した。

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