◎信者たちは断食すればイエス・キリストに会えるという牧師の「お告げ」を信じていた。
ケニアのルト(William Ruto)大統領は24日、南東部キリフィの町マリンディにあるカルト教団施設内で73人の死亡が確認された事件をテロになぞらえ、糾弾した。
ルト氏は声明で、「そこで起きたおぞましい事件はテロに近い」と述べ、数十人を餓死させたとみられる牧師を凶悪犯と呼んだ。「あの男は牧師を名乗っていますが、実際はとんでもない犯罪者、凶悪犯です...」
またルト氏はヌセンゲ(Makenzie Nthenge)容疑者を厳しく追及すべきと非難した。
グッドニュース・インターナショナル教会の牧師であるヌセンゲ容疑者は先週、信者を洗脳し、死に追いやったとして逮捕された。
マリンディ警察によると、教団が所有する土地を捜索した結果、これまでに73人の死亡を確認したという。その大半が敷地内に埋葬されていた。
やせ細った人々の一団は警察に救出されたものの、そのうちの何人かはその後死亡した。
信者たちは断食すればイエス・キリスト(Jesus Christ)に会えるというヌセンゲ容疑者の「お告げ」を信じていた。
マリンディ警察の広報担当はAP通信の取材に対し、「24日に新たに26人の遺体を発見し、死者数は73人に達した」と語った。
それによると、連邦警察の捜査官が合流し、教団が所有する広大な敷地の捜索が進められているという。
ケニア赤十字社は23日、マリンディでこの教団が関連する行方不明者の数が少なくとも112人に上ると報告した。
ルト氏は会見の中で、「いかなる宗教の影響も受けない、完全に独立した刑事事件として徹底的に捜査するよう法執行機関に指示した」と述べた。
ルト氏は昨年の当選以来、国会を含む複数の政府系機関に牧師を推薦してきた。
ヌセンゲ容疑者は勾留中であり、一部の地元メディアは「近いうちに殺人罪などで起訴される」と伝えている。警察は容疑者の認否と罪状を明らかにしていない。
ヌセンゲ容疑者は子供2人が親に餓死させられた2つの事件で逮捕・起訴され、先月保釈金を支払い保釈されていた。容疑者は無罪を主張している。公判の日程は決まっておらず、今回の事件の影響を受けるとみられる。
マリンディの自治体は一部地域でカルトが蔓延していると警告し、裁判所にヌセンゲ容疑者を保釈しないよう要請している。