◎検察はヌセンゲ被告を含む関係者28人の拘留延長を何度も裁判所に求め、教団敷地内の集団墓地を捜査している。
ケニアの裁判所は9日、南東部キリフィの町マリンディのカルト教団事件を担当する検察に対し、2週間以内に教団指導者を起訴しなければ保釈を許可すると警告した。
グッドニュース・インターナショナル教会の牧師ヌセンゲ(Paul Mackenzie Nthenge)被告は「断食すればイエス・キリスト(Jesus Christ)に会える」と信者を洗脳し、数百人を殺害したとして昨年4月に逮捕・送検された。
検察はヌセンゲ被告を含む関係者28人の拘留延長を何度も裁判所に求め、教団敷地内の集団墓地を捜査している。
キリフィの地方裁判所は被告たちが前回の延長申請から117日間拘留されていることについて、「当局の捜査に問題があると言わざるを得ない」と批判。2週間以内に起訴しなければ保釈を許可するとした。
ヌセンゲ被告の弁護団は当局が犯罪の証拠を見つけられず、時間を稼ぐために勾留延長を繰り返していると非難している。
地裁は声明の中で、「被告たちは2010年の憲法改正以来、最も長く裁判を受けずに拘留されている」と批判した。
ヌセンゲ被告は昨年12月、無許可でスタジオを運営し、映画を配給した罪で懲役18カ月の実刑判決を受けた。控訴審の日程は決まっていない。
検察はヌセンゲ被告が断食すればキリストに会えると洗脳し、400人以上を餓死させたと主張。被告側はこの主張を否定し、「信者が自らの意思で断食し、同僚に遺体を埋葬するよう求めていた」と反論している。
捜索の結果、当局は現時点で429人の遺体と数十の集団墓地を発見した。報道によると、いくつかの遺体を検死した結果、絞殺や窒息死した兆候が確認されたという。
地元の活動家や人権団体はこの教団に関連する行方不明者の数を500~800人と報告している。