◎グッドニュース・インターナショナル教会の敷地内で見つかった遺体は110体に達し、その大半が餓死したとみられる。
ケニア地裁は4日、南東部キリフィの町マリンディにあるカルト教団施設内で発生した信者の大量死事件について、逮捕された牧師1人の保釈を認めると裁定した。
オデロ(Ezekiel Odero)容疑者は先週、事件に関与したとして逮捕された。
グッドニュース・インターナショナル教会の牧師ヌセンゲ(Makenzie Nthenge)容疑者は「断食すればイエス・キリスト(Jesus Christ)に会える」と信者を洗脳していたとされる。
敷地内で見つかった遺体は110体に達し、その大半が餓死したとみられる。
警察は教会を封鎖したが、弁護団は裁判所に異議を唱えている。審理の日程は明らかになっていない。
港湾都市モンバサの裁判所前にはオデロ容疑者を支持する人々が集まり、保釈が認められたことを祝った。保釈金は300万ケニアシリング(約300万円)。弁護士は4日中に納付すると伝えられている。
オデロ容疑者の弁護士は教会内で15人が死亡したことを認めたが、法律に基づき、警察に死亡を届け出たと主張している。
警察は森林に囲まれたグッドニュース・インターナショナル教会の敷地を捜索しており、これまでに数十の集団墓地を発見した。
収容した遺体の検死は現在も続いており、一部は窒息死であることが判明した。
地裁は今週、ヌセンゲ容疑者の保釈を認めたが、検察はこれに異議を唱え、高裁で審理が続いている。検察はテロの可能性も視野に捜査を進めている。
地元警察も今週、「大量虐殺の兆候がみられる」と報告したものの、詳細は明らかにしなかった。
ヌセンゲ容疑者は2019年に拠点を移した際、自分のテレビチャンネルをオデロ容疑者に売却した。
オデロ容疑者のテレビチャンネルは人気があり、多くの信者が「お告げ」を聞いていた。しかし、通信局は成人向け番組が許可されていない時間帯に悪魔祓いに関する不適切な番組が放送されたとして、このチャンネルの放送許可を取り消した。
オデロ容疑者のユーチューブチャンネルの登録者数は40万人を超え、総再生回数は7000万回以上を誇る。
ヌセンゲ容疑者は5日に出廷する予定。