◎信者たちは断食すればイエス・キリストに会えるという牧師の「お告げ」を信じていた。
ケニア政府は26日、南東部キリフィの町マリンディにあるカルト教団施設内で発生した事件について、これまでに90人の死亡を確認し、犠牲者の数はさらに増える可能性があるという見方を示した。
警察当局はグッドニュース・インターナショナル教会の広大な敷地を捜索し、集団墓地を発見。死者数は25日時点で90人に達した。
教団の牧師であるヌセンゲ(Makenzie Nthenge)容疑者は今月中旬、信者を洗脳し、死に追いやったとして逮捕された。
ルト政権の関係者は25日に現場を視察した際、記者団に「行方不明者の捜索はしばらく続く」と述べ、犠牲者の数は増える可能性が高いと示唆した。
ケニア赤十字社によると、この地域では教団に参加したとされる市民200人以上と連絡が取れなくなっているという。
犠牲者のほとんどが敷地内の集団墓地で発見された。警察によると、施設から救出された34人が市内の病院で手当てを受けているという。
犠牲者は全員、教団の信者とみられる。ヌセンゲ容疑者は「断食すればイエス・キリスト(Jesus Christ)に会える」と信者を洗脳していたようだ。
ヌセンゲ容疑者は勾留中であり、一部の地元メディアは「近いうちに殺人罪などで起訴される」と伝えている。警察は容疑者の認否と罪状を明らかにしていない。
ヌセンゲ容疑者は子供2人が親に餓死させられた2つの事件で逮捕・起訴され、先月保釈金を支払い保釈されていた。容疑者は無罪を主張している。公判の日程は決まっておらず、今回の事件の影響を受けるとみられる。
検察庁は25日のプレスリリースで、「容疑者やその他の教団関係者は殺人やテロの罪に問われる可能性がある」と説明した。
一方、内務省は容疑者を「ジェノサイド(大量虐殺)」で告発する可能性があると示唆している。