◎多くの企業が略奪を恐れて休業する中、若者たちはルト大統領に辞任を要求した。
ケニアの首都ナイロビやその他の都市でルト(William Ruto)大統領と政府与党の法案に抗議するデモが続いている。
ナイロビでは2日、略奪、放火、強盗などが報告され、機動隊が暴徒に向けて催涙ガスを発射した。
多くの企業が略奪を恐れて休業する中、若者たちはルト氏に辞任を要求した。
第2の都市モンバサでも暴徒が中心部の幹線道路を占領し、バリケードを設置。タイヤを燃やした。
地元メディアによると、モンバサ中心部のホテル近くで暴徒が大暴れし、パトカー少なくとも5台を焼き払ったという。ケガ人が出たかどうかは明らかになっていない。
ルト氏は先週、抗議デモが暴動に発展したことを受け、国会で可決された増税法案に署名しないと発表した。
しかし、デモ隊はルト氏が来週の署名期限までに考えを変え、署名するかもしれないと主張しているようだ。
デモに参加した一部の人権団体は暴徒が混乱に乗じて企業や小売店を略奪したり、市民の怒りを煽っていると非難している。
ある団体はX(旧ツイッター)に、「狂ったチンピラが抗議デモを略奪ゲームに変えてしまった」と書き込んだ。
内務省の報道官は2日、「犯罪者が抗議デモを略奪、放火、恐怖を拡散する暴力に変え、都市部で暴れまわっている」と非難した。
また報道官は「平和的な抗議デモの権利を擁護するが、いかなる理由があろうと、暴力は容認せず、どんな代償を払っても阻止する決意だ」と強調した。
先週のデモでは警察が暴徒に向けて発砲し、死者が出た。地元メディアによると、過去2週間で少なくとも39人が死亡したとみられる。
ルト氏は若者たちとの対話を提案し、大統領府の出張・接待予算を削減すると約束した。
失業率が高止まりし、物価が上昇する中、ルト氏は他の高官の贅沢な暮らしぶりに怒りの声が上がっている。