◎選挙管理委員会は投票締め切りから1週間以内に選挙結果を確定させなければならない。
大統領選に立候補した野党党首のオティンガ議員(左)とルト副大統領(Getty Images/AFP通信)

ケニアの現地メディアによると、先週行われた大統領選の結果がまもなく確定するという期待が高まっているという。

大統領や上下両院議員などを選出する総選挙の投票は先週9日に行われた。

290の選挙区のうち、4分の3以上の結果が確定、公表された。それによると、ケニヤッタ(Uhuru Kenyatta)大統領の政策に批判的なルト(William Ruto)副大統領が野党党首のオディンガ(Rila Odinga)議員をわずかに上回っている。

<ケニア2022大統領選 8月14日現地時間21時時点>
▽ウィリアム・ルト 6,902,417票(50.9%)
▽ライラ・オディンガ 6,578,011票(48.5%)
▽その他2候補 90,735票(0.6%)

地元メディアによると、選挙管理委員会は投票締め切りから1週間以内に選挙結果を確定させなければならない。タイムリミットは8月16日の現地時間16時59分である。

有権者は集計作業が進まないことにやきもきし、SNSに不満をぶつけ、一部地域ではデモが発生した。

オディンガ氏とルト氏は14日、有権者に忍耐を求めた。

国内の主要カトリック教会も「忍耐と礼節」を求め、間違っても暴力に走らないよう促した。

メディア各社は約4万6000の投票所の公式データを用いて暫定的な集計結果を公表している。そのデータも大接戦を示しているようだ。投票率は65%だった。

一方、首都ナイロビの集計センターはプレッシャーと戦っている。

2017年の大統領選も担当した選挙管理委員会のチェブカティ(Wafula Chebukati)委員長は、「今回の集計はトラブルなく行われる」と何度も有権者に呼びかけている。

2017年の大統領選では選挙管理委員会が投票用紙の電子送信に関する法律を守っていなかったと最高裁が判断し、無効とされた。

最高裁は「違法行為と不正が確認された」と裁定し、選挙管理委員会を厳しく非難した。

この選挙でケニヤッタ氏に敗れたオディンガ氏は政府を糾弾し、野党支持者による乱闘が発生。10歳の少女を含む数人が警察の取り締まりで死亡した。

紆余曲折の末、再選挙が決まったものの、オディンガ氏がこれに異議を唱えボイコットを表明。選挙管理委員会がこの主張を拒否したため、またしても乱闘が発生し、死者が出た。

集計センターは各投票所から集められた電子データ・写真・投票用紙をチェックしている。

この骨の折れる厳しい作業を目の当たりにしたチェブカティ氏は、2017年の騒乱を主導したオティンガ氏が単純なチェック作業を「科学捜査」に変えてしまったと非難している。

ロイター通信などによると、13日遅く、オディンガ氏の支持者たちが集計センターに乱入し、「データを改ざんするな!」と叫び、どこかに連行されたという。

集計センターに乱入したオディンガ氏の選挙担当者はマイクを取り、メディアに対し、「ここが犯罪現場であることを国民に知らせてください」と述べたが、まもなくマイクを切られ、連行された。

ルト氏の支持者は、チームオディンガが集計作業を妨害したと非難した。

当局はセンターの警備を強化し、敷地内への立ち入りも制限した。

AFP通信の取材に応じたナイロビの住民は、「いい加減にしてほしい」と不満を表明した。「待たせすぎです。私の周りの人は大統領選があったことも忘れています...」

ケニアの有権者は選挙のトラブルに慣れているが、暴力は避けたいと思っている。

2007年の選挙では票が盗まれたという主張が拡散、暴力に発展し、少なくとも1200人が死亡。60万人が国内避難民になった。

ケニアの政治家は自由で公正な選挙を追求しており、少しでも疑問に思うことがあると政府を厳しく批判し、非難し、糾弾し、攻撃的なデモを行う。

2007年の騒乱後、政治家と活動家は集計作業に西側の高度なテクノロジーを導入するよう求めた。今年の選挙はこの高度なテクノロジーが採用されてから3回目となる。

報道によると、選挙管理委員会は15日遅くまでに残りの集計作業を終える見込みだという。

同委員会は16日の16時59分までに結果を公表し、次期大統領を発表する。候補者はメディアの報道で勝利の確立が高まったとしても、勝利を宣言することはできない。

両候補の投票率が過半数に届かない場合は、9月8日の決選投票で勝者を決める。その場合、選挙管理委員会はもう一度骨の折れる集計作業を行うことになる。

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