◎暴徒は店舗を略奪したり、パトカーや家屋に火を放った。
東アフリカ・ケニアで25日、政府与党の増税案に抗議するデモが暴動に発展し、数百人の暴徒と機動隊が衝突した。
首都ナイロビの機動隊はデモ隊に向けて実弾を発射したとみられる。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、ナイロビの衝突で少なくとも5人が射殺され、31人が負傷、52人が逮捕されたという。
暴徒は店舗を略奪したり、パトカーや家屋に火を放った。
ソーシャルメディアで拡散した動画には足を撃たれて地面に横たわる男性の姿が映っていた。
政府与党は先週、財政健全化法案を国会に提出した。
政府与党は国民健康保険料の引き上げ、植物油や燃料の増税などを提案している。ルト(William Ruto)大統領と与党議員は先週、国内で販売される全てのパンに16%の消費税を課す案と自動車税の引き上げを法案から削除した。
独立機関のケニア国家人権委員会はX(旧ツイッター)に声明を投稿。機動隊がナイロビ市役所付近を行進していたデモ隊に向けて発砲したと書き込んだ。
同委員会は声明で、「非武装の市民に発砲するなど論外であり、重大な人権侵害である」と非難。警察に説明を求めると述べた。
現地メディアによると、機動隊の取り締まりをかいくぐった多くの暴徒が国会議事堂に侵入し、建屋に火を放ったという。
議員らはこの事態を受け、避難を余儀なくされた。
報道によると、国会を占領した暴徒はその後排除されたという。
財政健全化法案の審議は今週始まる予定だ。