◎ケニアは今年6月、ハイチの首都ポルトープランスに警察官約400人を派遣。それ以来、ハイチ警察と共にギャングの取り締まりを続けている。
アフリカ東部・ケニア国家警察は6日、中米ハイチの国連支援ミッションに参加する要員が無給で働いているという報道を改めて否定した。
ケニアの地元メディアは関係者などの話しとして、「ハイチミッションに参加している要員には3カ月間、給与が振り込まれていない」と伝えている。
カンジャ(Douglas Kanja)警視総監は5日、この報道を否定。「ハイチミッションの要員には10月末分まで給与を支払っている」と反論した。
11月分が振り込まれたかどうかは分かっていない。
国家警察の報道官は6日の声明で報道を否定。「政府は国連からの払い戻しを待つ間、ミッションに多くの予算を計上している」と述べた。
ケニアは今年6月、ハイチの首都ポルトープランスに警察官約400人を派遣。それ以来、ハイチ警察と共にギャングの取り締まりを続けている。
2004~17年まで活動したハイチPKOは性的暴行疑惑など、複数の問題に直面。その間、コレラの蔓延や暴力などにより、1万人近くの民間人が死亡した。
ケニア財務省によると、ケニアは国連からの払い戻しを待つ間、ミッションのために20億ケニアシリング(23億円)以上を計上したという。
同省は先週、国内メディアに対し、「我々は国連に代わって予算を計上し、現場で働く要員に給与を支払ったり、装備を補充したりしている」と述べていた。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは2年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は10月初め頃から激化。中部アルティボニット県では地元で「グラン・グリフ」と呼ばれているギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
ケニアとハイチ警察は厳しい現実に直面している。国連によると、今年、この紛争により4500人以上が死亡し、少なくとも2060人が負傷したという。