ケニアの野党指導者たちがルト大統領に辞任要求、暴動激化

ルト氏は9日、平和的なデモに紛れて略奪や放火を行う「無法者」を許さないと表明し、警察に対し、略奪犯や放火魔を発見した時は足を撃つよう命じた。
ケニア、首都ナイロビ郊外、警察と政府与党に抗議するデモ隊(Getty Images/AFP通信)

ケニアの野党指導者たちは11日、ルト(William Ruto)大統領が暴動に関与した市民を撃つよう警察に呼びかけたことを受け、辞任と解散総選挙を要求した。

2022年の大統領選でルト氏に敗れたオディンガ(Rila Odinga)氏は大統領の命令を「憲法違反」と非難し、「辞任か弾劾されるべきである」と述べた。

ルト氏は9日、平和的なデモに紛れて略奪や放火を行う「無法者」を許さないと表明し、警察に対し、略奪犯や放火魔を発見した時は足を撃つよう命じた。

同国では全国各地で国家警察と政府与党に抗議するデモが行われ、一部の暴徒と警察が衝突している。

独立警察監視機関(IPOA)によると、首都ナイロビなどの都市部で被害が拡大し、多くの建物や車両が破壊され、50人以上が死亡、数百人が負傷し、500人以上が逮捕されたという。

人権団体は各地で略奪や破壊行為が相次ぐ中、警察に自制を呼びかけている。

ナイロビでは1カ月ほど前から男性ブロガーの死に抗議するデモが続いている。

オンラインメディアなどに記事を投稿していたアルバート・オワンガ(Albert Ojwang、31歳)さんはナイロビ中央警察署に連行された後、死亡した。

警察は当初、オワンガさんが留置場内で自殺したと主張していたが、その後謝罪し、捜査を開始したと明らかにした。

オワンガさんは先月初め、西部のビクトリア湖近くの町で逮捕され、ナイロビに連行された。

警察は逮捕の理由について、「オワンガさんがソーシャルメディアで警察幹部に関する虚偽の情報を拡散した」と説明していた。

この事件を調査するIPOAは1週間後、解剖の結果、オワンガさんが暴行を受けた可能性が高いと指摘。同署の幹部らを逮捕したと明らかにした。

ナイロビでは先月にも警察に抗議するデモが暴動に発展し、略奪が横行。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは少なくとも16人が死亡、400人以上が負傷し、死者の大半が警察官に射殺されたと報告している。

地元メディアによると、デモ参加者の頭を撃ち抜いたとされる警察官が10日に殺人罪で起訴されたという。罪状認否は7月28日に予定されている。

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