◎先週のデモは暴動に発展し、警察官1人とデモ参加者4人が死亡。首都ナイロビでは企業や小売店が略奪被害に遭った。
ケニアの野党党首オディンガ(Rila Odinga)議員は2日、ルト(William Ruto)大統領が野党の要請に応じて協議を申し入れたため、抗議デモを一時停止すると発表した。
ルト氏は2日、選挙管理委員会の委員が選任される経緯を議論するために、野党と協議の場を持ちたいと表明した。
昨年の大統領選で敗れたオディンガ氏は毎週月曜と木曜に反政府集会を開くよう支持者に呼びかけ、大統領選を「嘘っぱち」と非難している。
またオディンガ氏は選挙管理委員会が開票結果を改ざんしたと非難し、野党に同委員会のコンピュータへのアクセス権を付与するよう要求している。
オディンガ氏はルト氏の勝利に異議を唱えたが、最高裁は訴えを退けている。
オディンガ氏は声明の中で、「来週月曜のデモは行わないが、政府が要求を認めなければデモを再開する」と警告した。
先週のデモは暴動に発展し、警察官1人とデモ参加者4人が死亡。首都ナイロビでは企業や小売店が略奪被害に遭った。
多くの店舗が暴動に備えて店を閉めたものの、少なくとも数十軒が焼き払われたと伝えられている。
デモ隊は選挙だけでなくインフレを抑制するようルト政権に求めている。
国際社会や宗教指導者は今回のデモが2007~08年に発生した民族間紛争のような事態に発展することを恐れている。この紛争では1100人以上が死亡した。