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ケニア海軍が麻薬密輸船を拿捕、6300万ドル相当の薬物押収

海軍はモンバサ沖約630キロメートルの地点で不審な船を発見。巡視艇を送り込み、この船を拿捕、港に曳航した。
ケニア、首都ナイロビの国会議事堂(Getty Images)

ケニア・モンバサで6300万ドル(約96.2億円)相当の覚醒剤が押収され、イラン人6人が逮捕された。海軍が25日、明らかにした。

海軍はモンバサ沖約630キロメートルの地点で不審な船を発見。巡視艇を送り込み、この船を拿捕、港に曳航した。

地元テレビ局は情報筋の話しとして、「メタンフェタミンの錠剤やクリスタルメスなど、1トンを超える違法薬物が押収された」と報じた。

国家警察の長官はその後の声明で、「予備的な科学捜査の結果、押収した物質はメタンフェタミンであることが確認された」と述べた。

当局はイラン人6人の身元と認否を明らかにしていない。

ケニアにおける麻薬問題は、東アフリカ地域の地理的要因と社会経済的状況が複雑に絡み合い、深刻化している。

ケニアはインド洋に面しており、中東やアジアからヨーロッパへ向かう麻薬の中継地として利用されている。特にヘロインが多く密輸され、モンバサ港やラム港がその主要なルートとなっている。

また、国内でも大麻(バング)が栽培され、若者層を中心に乱用が拡大している。経済格差や失業率の高さが麻薬取引への関与を助長しており、犯罪組織が貧困層を取り込むケースも多い。

政府は国際機関と協力して取締りを強化しているが、汚職や法執行機関の脆弱さが対策の妨げとなっている。さらに、薬物依存に対する医療・リハビリ体制が十分に整っておらず、社会復帰支援も限定的である。

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