◎13日に就任したルト新大統領は、「最優先事項は生活費を抑え、国民の生活を守ること」と約束していた。
ケニア、首都ナイロビ郊外のガソリンスタンド(Getty Images)

ケニア政府は15日、ロシアのウクライナ侵攻がもたらした燃料価格の高騰から消費者を守る補助金を一部廃止した。

政府報道官は14日遅くの記者会見で、ディーゼルおよびケロシンに対する補助金は維持するとし、国民に理解を求めた。

これにより、ガソリン販売価格はリッター1.3ドル(187円)から1.5ドル(215円)になる予定。ディーゼルの販売価格はリッター1.4ドル(200円)に据え置かれる。

低所得者層が調理や照明に使用する灯油はリッター1.2ドル(172円)に値上げされる。

ルト(William Ruto)新大統領は13日の就任演説で燃料と食料に対する補助金を「コストがかかりすぎる」と批判した。

この発言は物議を醸し、一部の野党議員の怒りを買った。

ルト氏は11日の演説で、「就任後の最優先事項は生活費を抑え、国民の生活を守ること」と述べ、公約を守ると約束していた。

東アフリカの大国ケニアは100年に1度といわれる大干ばつに見舞われ、インフレ率は5年ぶりの高水準に達し、世界規模のエネルギー価格高騰が危機に拍車をかけている。

世界銀行は6月、ケニアの2022年経済成長率をプラス5.5%と予測したが、低中所得者層の生活は改善するどころか悪化し、一部地域では餓死者も報告されている。

東アフリカの干ばつは悪化の一途をたどり、5000万人以上が食料不足に直面し、子供を含む推定2000万人がまともな食事にありつけず、飢えと闘っている。

ソマリアの難民キャンプ(Getty Images/AFP通信)
アフィリエイト広告
スポンサーリンク