◎国連PKO参加を違憲とする地方議員び意義申し立て審理は2週間後に始まる予定。
ハイチ、首都ポルトープランスの暴動(Getty Images/AFP通信)

ケニアの高等裁判所は9日、国連安全保障理事会の決定に基づき、中米ハイチに同国の治安部隊を派遣する計画に待ったをかけた。

地元メディアによると、国連PKO参加を違憲とする地方議員び意義申し立て審理は2週間後に始まる予定。

高裁はこの申し立てを受け、政府に他国への部隊派遣を一時的に停止するよう命じた。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

首都ポルトープランスでは今年初め頃から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。地元の人権団体はこの争いで民間人数千人が死亡または行方不明となり、数十万人が国外に逃亡したと推定している。

国連安保理は先週、ハイチへのPKO派遣を全会一致で承認。米国は最大2億ドルを拠出すると約束した。

高裁に異議を申し立てたのは大統領選に出馬したこともある地方議会の議員。

この議員は同国の治安部隊がテロ攻撃や民族間の衝突から生じた問題に対処できていないにもかかわらず、他国に部隊を派遣することは国民の生命を脅かす「蛮行」であり、憲法違反であると主張しているようだ。

高裁は9日、異議申し立てに対する回答を3日以内に提出するよう政府に命じた。

次回の審理は10月24日に予定されている。

昨年の大統領選で敗れた野党指導者のオディンガ(Rila Odinga)氏もPKOへの参加を批判している

ケニアはハイチに約1000人の部隊を派遣する予定だが、派遣日はまだ明らかにしていない。

国連の統計によると、今年1月1日~8月15日の間にハイチの暴力で死亡した民間人は2400人以上。950人以上が誘拐され、902人が負傷したという。

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