◎国連安保理は昨年10月、ギャングの暴力に圧倒されるハイチにケニア主導のPKOを派遣することを全会一致で承認した。
ケニアの高等裁判所は26日、「国連安全保障理事会の決定に基づき中米ハイチにケニアの警察官を派遣することは違憲である」と裁定した。
高裁判事は「政府に正規の警察官を国外に派遣する権限はない」と指摘。こに異議を唱えた地方議員の訴えを支持した。
議会は昨年11月、警察官1000人をハイチに派遣する動議を可決した。
判事はこの動議について、「ケニアとハイチの間に相互協定はなく、国内の治安維持任務にあたる警察官をハイチに派遣することはありえない」と述べた。
また判事は「国連におけるケニアの申し出は立派なものだが、憲法に則って行動する必要がある」と強調した。
大統領府の報道官は26日、この判決を不服として上告すると表明した。
国連安保理は昨年10月、ギャングの暴力に圧倒されるハイチにケニア主導のPKOを派遣することを全会一致で承認した。
ハイチの治安は2021年のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは1年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。