◎ケニア医療供給庁(KEMSA)はコンドーム100万個、蚊帳、結核治療薬を紛失した。
国連は16日、ケニア医療供給庁(KEMSA)が1,000万ケニア・シリング(約1,000万円)相当のコンドーム100万個、蚊帳、結核治療薬を紛失したと明らかにした。
国連の世界エイズ・結核・マラリア対策基金によると、これらは盗まれ、闇市場や民間の薬局に転売された可能性があるという。
同対策基金は報告書の中で、「KEMSAの倉庫管理や在庫管理は不十分であり、コンドームを含む在庫数量には16%の差があり、殺虫ネットの在庫数も報告数量とは明らかに異なる」と述べている。
また対策基金は、「KEMSAは医薬品や日用品の監視を怠るだけでなくこれらを不適切に取り扱っていた」と非難した。「KEMSAのナイロビ倉庫を訪問したとき、商品は山積みでほとんど整頓されておらず、数量チェックは困難でした...」
対策基金の監査によると、KEMSAは医薬品の必要数を多めに見積もり、一部の医薬品の在庫は基金が把握していた数量の100倍に膨れ上がっていたという。
さらに、対策基金から購入した一部の医薬品の中には国内の国立病院で不足している貴重なものも含まれており、その多くが期限切れになっていた。
対策基金で不正行為をチェックしている監察総監室は、KEMSAの医薬品管理や取引を調査するよう求めている。
国連は米国、日本、ドイツ、フランスなどと協力して、ケニアに結核、マラリア、HIV/AIDS、コロナウイルス関連の資金を2003年から1,500億ケニア・シリング(約1,500億円)以上提供してきた。
KEMSAは2020年にもコロナの医療品の調達をめぐる入札問題で告発されている。
米国開発庁(USAID)は2019年、KEMSAが150万人分のエイズ治療薬を不適切に取り扱ったと非難した。