ケニア暴動、11人死亡、放火や略奪相次ぐ、警察に抗議するデモが激化

ナイロビでは1カ月ほど前から男性ブロガーの死に抗議するデモが続いている。
2025年7月7日/ケニア、首都ナイロビ郊外、暴徒の襲撃に備える警察官(AP通信)

アフリカ東部・ケニアで7日、国家警察と政府与党に抗議するデモが暴動に発展し、全国で少なくとも11人が死亡、数十人が負傷した。警察が7日、明らかにした。

ナイロビでは1カ月ほど前から男性ブロガーの死に抗議するデモが続いている。

オンラインメディアなどに記事を投稿していたアルバート・オワンガ(Albert Ojwang、31歳)さんはナイロビ中央警察署に連行された後、死亡した。

警察は当初、オワンガさんが留置場内で自殺したと主張していたが、その後謝罪し、捜査を開始したと明らかにした。

オワンガさんは先月初め、西部のビクトリア湖近くの町で逮捕され、ナイロビに連行された。

警察は逮捕の理由について、「オワンガさんがソーシャルメディアで警察幹部に関する虚偽の情報を拡散した」と説明していた。

事件を調査する独立警察監視機関(IPOA)は1週間後、解剖の結果、オワンガさんが暴行を受けた可能性が高いと指摘。同署の幹部らを逮捕したと明らかにした。

ロイター通信によると、ナイロビの複数の地区で放火や略奪が確認されたという。

警察は実弾、催涙ガス、放水砲で対処。ナイロビ郊外では警察がデモ隊に向けて実弾を発射した。

ソーシャルメディアで拡散した動画には警察官に撃たれたとみられる男性の遺体が映っていた。

ケニヤッタ国立病院の関係者はロイターの取材に対し、「24人の負傷者を受け入れた」と語った。ケガの程度は不明である。

AP通信は他の都市でも暴動、略奪、暴力が確認され、少なくとも2人が頭を撃ち抜かれて死亡したと伝えている。

国家警察は声明で、「全国で11人が死亡、52人の警察官が負傷した」と発表した。

また警察は「初期の報告によると、略奪、窃盗、車両窃盗、放火、複数の破壊行為が各地で確認されている」と述べた。

ナイロビでは先月にも警察に抗議するデモが暴動に発展し、略奪が横行。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは少なくとも16人が死亡、400人以上が負傷し、死者の大半が警察官に射殺されたと報告している。

活動家たちは毎年、1990年に当時のダニエル・アラップ・モイ(Daniel Arap Moi)大統領の反対派が抗議デモを開始した日を記念して、7月7日に集会を開いている。

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