エジプト・カルナック神殿で古代の「聖なる湖」発見
新たに確認された湖はモンチュ神殿の南側に位置し、マアト神殿の西側に広がる約50平方メートルの人工水域で、精緻に設計された構造を持つ。
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エジプトと中国の合同考古学調査隊がエジプト南部ルクソールにあるカルナック神殿の区画で新たな古代の「聖なる湖」遺構を発見した。これは1月24日に公表され、今回確認された湖はこれまでの考古学記録に記載がない新出土物であり、保存状態が良好な人工の水槽とのこと。
新たに確認された湖はモンチュ神殿の南側に位置し、マアト神殿の西側に広がる約50平方メートルの人工水域で、精緻に設計された構造を持つ。合同調査隊の中国側責任者は今回の発見によってカルナック神殿内に南北に並ぶ二つの聖なる湖の独特の配置が確認されたと説明し、これは考古学的に極めて重要な発見だと述べた。従来知られていた聖湖と今回発見された湖は共に神殿区画内の正確な位置関係を示し、古代エジプトの神殿建築思想を解明する上で貴重な手がかりになるという。
古代エジプトでは、聖なる湖は神殿建築に不可欠な要素とされ、日常用水とは区別された神聖な水源として神事や儀礼に用いられた。調査隊は、この湖はこれまで体系的かつ科学的な発掘によって確認された唯一の聖湖であり、古代エジプトの聖湖研究にとって重要な一次資料を提供すると指摘している。
エジプト側の責任者は、この発見が合同調査隊の8年にわたる努力の成果であると強調した。発掘では湖のほかにも、多数のウシの下顎骨や、後期王朝時代(紀元前747〜332年)に関連する王やアムン神に関わる再利用石材が出土した。これらの遺物は後の研究で古代エジプト宗教と政治の関係を解明する素材になる可能性がある。
また、発掘区域内のオシリス神の礼拝堂付近では、新たに3つの礼拝堂遺構が見つかり、オシリス像の小像や関連断片も多数回収された。これらは当時の神々の信仰や礼拝形態を示すもので、神殿全体の宗教的機能を再構築する上で重要となると考えられている。
今回の合同発掘は中国社会科学院考古研究所とエジプトの観光・文化省が2018年に設立した共同プロジェクトによるもので、これまでに約2300平方メートルの調査・発掘が実施されている。
エジプト側のプロジェクト共同責任者は、今回の発見が二つの古代文明間の対話の象徴であると述べた。また、この協力が歴史と文明のメッセージを伝えるものであり、両国と世界に利益をもたらすと強調した。
今回の聖湖発見は古代エジプト文明の理解を一段と深めると同時に、国際的な考古学研究の重要性と成果を示すものとして注目されている。
