SHARE:

イスラム過激派がナイジェリア軍への攻撃を強化、終わりの見えない紛争

攻撃は直近1週間で少なくとも6回発生し、北東部ボルノ州やヨベ州、さらにチャド湖周辺地域の軍事基地が標的となった。
2017年2月20日/ナイジェリア北部、イスラム過激派組織ボコ・ハラムの戦闘員(Getty Images/AFP通信)

ナイジェリア北部でイスラム過激派による軍事拠点への攻撃が相次ぎ、多くの死者が出るとともに武器や車両が奪われる事態となっている。治安当局や専門家によると、攻撃は組織的に行われ、軍の装備を奪うことで戦闘能力を高める狙いがあるとみられる。

攻撃は直近1週間で少なくとも6回発生し、北東部ボルノ州やヨベ州、さらにチャド湖周辺地域の軍事基地が標的となった。過激派は基地を襲撃して軍用トラックや武器、弾薬などを持ち去り、将校数人と複数の兵士が死亡したとされる。治安アナリストは一連の攻撃について、高い連携のもとで実行されたと指摘している。

ナイジェリア軍の報道官は10日、週末から9日の攻撃について、「部隊を圧倒しようとするテロリストの試みだった」と説明した。軍は反撃したものの、兵士や将校の損失が出たことを認めている。専門家は過激派が基地を短時間で制圧し、装備を奪った後、施設を破壊して撤退する戦術を取っていると分析する。

今回の攻撃には西アフリカ去愛のイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」とその分派である「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」が関与しているとみられる。両組織はナイジェリア北東部を拠点に活動し、2009年に始まった武装闘争はこれまでに多数の死者と大規模な避難民を生んできた。

ナイジェリアはアフリカ最大の人口を抱え、主に北部で武装勢力による襲撃や誘拐が続き、軍は治安危機への対応に追われている。軍が一時的に地域を制圧しても、十分な部隊を長期間駐留させることが難しく、過激派が再び勢力を立て直す状況が繰り返されていると指摘されている。

また、今回の攻撃の増加は国内政治への不満とも結びついている。市民の間ではティヌブ政権が治安対策よりも次期大統領選挙への対応を優先しているのではないかとの批判が高まっている。治安改善が進まないことに対する不信感は強く、政府への圧力が強まっている。

米国はナイジェリアの対テロ作戦を支援するため、情報収集や偵察などの後方支援活動を行っている。しかし、過激派は依然として複数の地域で攻撃能力を維持し、今回の一連の襲撃は武装勢力の組織力が依然として高いことを示している。専門家は治安部隊の展開不足や地域統治の弱さが、過激派の活動を許している要因だと指摘している。

ナイジェリア北部では依然として戦闘が続いており、軍と過激派の攻防は今後も長期化する可能性がある。治安の回復には軍事作戦だけでなく、地域社会の安定化や統治能力の強化が不可欠だとの見方が広がっている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします