ISIS系組織が集落襲撃、43人殺害 コンゴ東部
現場は北東部イトゥリ州郊外の集落。コンゴ軍によると、ISIS系組織である「民主同盟軍(ADF)」の犯行とみられる。
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コンゴ民主共和国東部でイスラム国(ISIS)」に関連するテロ組織が集落を襲撃し、少なくとも43人が死亡した。地元当局が3日、明らかにした。長年にわたり不安定な治安状況が続く同地域で、民間人を標的とする暴力の深刻さが浮き彫りとなった形だ。
現場は北東部イトゥリ州郊外の集落。コンゴ軍によると、ISIS系組織である「民主同盟軍(ADF)」の犯行とみられる。武装勢力は2日夜に集落を急襲し、住民を無差別に殺害したほか、少なくとも44棟の民家に火を放ったという。ADFはコメントを出していない。
ADFは1990年代に隣国ウガンダで結成され、その後コンゴ東部に拠点を移し活動を続けてきた。2019年にはISISへの忠誠を誓い、現在はISISのアフリカ中部地域における関連勢力と位置付けられている。
地元当局はさらに多くの死者が出ている可能性も指摘しており、行方不明者や拉致された住民も報告されている。武装勢力は夜間に村へ侵入し、住民が逃げる中で攻撃を加えたとされ、地域社会に恐怖と混乱をもたらしている。
ADFは近年、軍や治安部隊との全面衝突を避ける一方で、集落や市民を狙った襲撃を繰り返してきた。こうした戦術は住民に恐怖を与え、地域の統治や復興を妨げることを目的としている。実際、ADFは2020年から2025年にかけて、コンゴ東部で報告された民間人への暴力の4分の1に関与したとされる。
東部地域ではADFのほかにも100を超える武装勢力が活動し、治安の悪化が続いている。イトゥリ州や北キブ州では過去にも大規模な虐殺事件が相次ぎ、2025年には教会を標的とした襲撃で数十人が殺害されるなど、深刻な人道危機が続いている。
国軍はウガンダ軍と連携してADF掃討作戦を展開しているが、広大な森林地帯や国境をまたぐ活動範囲の広さから、武装勢力の完全な排除には至っていない。今回の事件もそうした治安対策の限界を示すものとなった。
国連は東部コンゴの治安改善を支援してきたが、武装勢力の活動は依然として活発であり、民間人の安全確保が大きな課題となっている。今回の襲撃は地域における暴力の連鎖が依然として断ち切られていない現状を改めて示した。
