ベナン、ニジェール、ナイジェリアでイスラム過激派の攻撃急増
2024年から2025年にかけて、この3カ国の国境地域でイスラム過激派に起因する暴力的な事件の発生件数が約80%増加し、死者数は約3倍、1000人を超えたという。
系組織の戦闘員(Getty-Images).jpg)
西アフリカのベナン、ニジェール、ナイジェリアの国境地帯でイスラム過激派による攻撃が激化している。国際的な紛争監視団体ACLED(Armed Conflict Location & Event Data Project)が26日、明らかにした。
それによると、2024年から2025年にかけて、この3カ国の国境地域でイスラム過激派に起因する暴力的な事件の発生件数が約80%増加し、死者数は約3倍、1000人を超えたという。この動きは単なる勢力拡大にとどまらず、過激派が地域での存在感を強め、足場を固めつつあることを示している。
ACLEDによると、活動を活発化させているのはアルカイダ系武装勢力「イスラム・ムスリムの支援団(JNIM)」と「イスラム国サヘル州(ISSP)」の2つ。両勢力はサハラ以南のサヘル地域から急速に勢力を拡大し、沿岸部近くの国境地帯へと活動範囲を広げている。ACLEDの西アフリカ担当シニアアナリストは「過激派はこの地域の脆弱性を利用し、統治の欠如や地域軍事協調の弱さにつけ込んでいる」と指摘している。
ベナンでは特に国境を越えた軍隊に対する攻撃が相次ぎ、2025年は同国にとって過去最悪の死者数を記録した年となった。また、ニジェールでは首都ニアメの空軍基地が攻撃を受けるなど、過激派が支配を強める動きが顕著になっている。ニジェールは2023年のクーデターで軍事政権が発足、ジハード勢力の勢いを抑えることに苦慮している。軍政はフランスや米国など、西側諸国との関係を断ち、対テロ支援でロシアとの連携を強化しているが、暴力の抑止には至っていない。
ナイジェリアでは複数の過激派が北部地域で活動を激化させ、ジハード系勢力だけでなく、「バンディット」と呼ばれる犯罪集団による襲撃も増加している。米国はイスラム国(ISIS)系組織に対する空爆を実施し、ナイジェリア軍への助言・支援を行っているが、アフリカ最大の都市圏を抱える同国では治安の不安定さが依然として深刻だ。ACLEDの報告は、これらの地域で過激派が攻撃を公然と主張するケースが増え、組織間の影響力争いが激化していることも示している。
専門家はベナン、ニジェール、ナイジェリアが接する国境地帯での攻撃激化について、西アフリカ全体における安全保障の新たな脅威を象徴していると分析する。これまでサヘル地域を中心に展開していたジハード系勢力が沿岸部にまで侵攻しつつあることで、地域社会への影響が拡大し、住民の避難や経済活動への影響も懸念される。地域各国や国際社会は統治の強化や軍事協力の再構築など、効果的な対抗策を導入する必要がある。
