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イスラム過激派が集落襲撃、住民300人超拉致 ナイジェリア北東部

ナイジェリア北部では2009年以降、ボコ・ハラムによる武装蜂起が続いている。
ナイジェリア、イスラム過激派組織ボコ・ハラムの戦闘員(Getty Images)

ナイジェリア北東部ボルノ州で正体不明の武装勢力による大規模な拉致事件が発生し、治安悪化への懸念が高まっている。地元当局によると、武装した過激派が同州郊外の集落を襲撃し、女性や子どもを含む300人以上を連れ去った。

事件は今週発生したとされ、武装勢力が集落に侵入、住民を襲撃した。AP通信は当局者の話しとして、「数十人のジハード兵が住民を拘束し、多数の女性や子どもを含む300人以上を拉致した」と伝えている。犯行声明は出ていないが、同地域で活動するイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」などの関与が疑われている。

地元当局は今回の襲撃がナイジェリア軍による最近の軍事作戦への報復である可能性を指摘している。軍は直近の対テロ作戦でボコ・ハラムの司令官3人を殺害したとされ、同組織が報復として住民を標的にした可能性があるとみられている。

またボルノ州内の別の地域でも武装勢力による攻撃が相次いだ。少なくとも4つの地区で軍事施設や集落を狙った襲撃が報告されたものの、多くは国軍によって撃退されたという。しかし、戦闘の過程で将校を含む兵士数人が死亡したとされ、地域の緊張は一層高まっている。

ナイジェリア北部では2009年以降、ボコ・ハラムによる武装蜂起が続いている。同組織は西アフリカ最大の過激派で、西洋式教育への反対やシャリア(イスラム法)の徹底を掲げて活動し、政府施設や学校、集落などへの攻撃や大量拉致を繰り返してきた。紛争は周辺国にも広がり、数万人が死亡、数百万人が避難を余儀なくされるなど、西アフリカで最も深刻な安全保障問題の一つとなっている。

近年はボコ・ハラムから分裂した「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」など複数の武装勢力も活動し、地域の治安はさらに複雑化している。武装勢力はオートバイを使った機動的な襲撃やドローンによる偵察など新たな戦術を取り入れているとされ、軍による掃討作戦は難しさを増している。

こうした状況を受け、米国はナイジェリア軍への助言や支援を目的として軍関係者を派遣している。国際社会も治安悪化を懸念しており、政府に対して住民保護の強化を求める声が高まっている。

今回の大規模拉致は依然として武装勢力が広範囲で能力を維持していることを示す出来事となっている。政府は被害者の救出と治安回復に向けた対応を迫られ、長期化する武装勢力との戦いが今後も大きな課題となっている。

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