中東危機でソマリアの子どもたちが窮地に、ユニセフが警告
ユニセフは地域紛争が遠隔地の人道危機にも波及する現実を強調し、国際社会に対して早急な支援拡大を呼びかけている。
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アフリカ東部・ソマリアで深刻化する飢餓危機について、国連児童基金(ユニセフ)は27日、中東で続くイラン戦争の影響により、さらに多くの子どもが苦しむ恐れがあると警告した。干ばつや支援縮小ですでに限界に達している人道状況に、遠く離れた戦争が追い打ちをかけている形だ。
ユニセフによると、南部地域にある避難民キャンプでは栄養失調の子どもたちの状況が深刻化している。現地では「泣く力すらない子ども」が見られ、医療関係者は命の危機に直面していると指摘する。住民の多くは4度にわたる雨季の失敗による干ばつで農作物や家畜を失い、着の身着のままで避難してきた人々である。
こうした状況の中、米イラン戦争は物資供給に大きな影響を与えている。燃料価格の高騰や輸送ルートの混乱により、食料やワクチンなどの支援物資の輸送が遅延し、コストも30〜60%上昇する可能性があるとされる。ユニセフは1570万ドル相当の救命物資を準備しているが、現地への到着は不透明な状況にある。
ユニセフのラッセル(Catherine Russell)事務局長は声明で、イラン戦争を「支援活動への衝撃」と表現し、「物資が届きにくくなり、結果としてより多くの子どもが苦しむ」と危機感を示した。現地ではすでに子どもたちが「限界の瀬戸際」にあり、状況の悪化が懸念されている。
さらに、資金不足の影響も深刻だ。主に米国の資金削減によって、ソマリアでは過去1年で400以上の医療・栄養施設が閉鎖され、多くの地域で基本的な支援が受けられなくなっている。これにより、栄養失調の子どもを受け入れる医療体制も逼迫している。
統計でも危機の規模は明らかだ。ソマリアでは人口の約3分の1にあたる650万人が深刻な食料不足に直面し、2026年には5歳未満の約184万人が急性栄養失調に陥ると推計されている。
キャンプで暮らす母親たちは「子どもが生き延びることだけを願っている」と語り、日々の食料にも事欠く生活を強いられている。医療現場では栄養補助食品の在庫が4月末までしか持たないとの指摘もあり、補給が滞れば死亡者の増加は避けられないとみられる。
ユニセフは地域紛争が遠隔地の人道危機にも波及する現実を強調し、国際社会に対して早急な支援拡大を呼びかけている。干ばつ、紛争、資金不足に加え、新たな戦争の影響が重なる中、ソマリアの子どもたちはかつてない危機に直面している。
