チャド南西部で部族間抗争、33人死亡=報道
戦闘はナイジェリアとカメルーンの国境近くで発生。集落の若者たちが遊牧民に襲い掛かったと伝えられている。
.jpg)
アフリカ西部・チャドの南西部で遊牧民と地元住民が衝突し、少なくとも33人が死亡した。地元当局が5日、明らかにした。
それによると、戦闘はナイジェリアとカメルーンの国境近くで発生。集落の若者たちが遊牧民に襲い掛かったと伝えられている。
それ以上の詳細は明らかになっていない。
ロイター通信は地元当局者の話しとして、「この衝突により、少なくとも33人が死亡し、大勢が負傷した」と伝えている。
チャドでこのような部族間抗争は珍しくない。
チャドには200を超える民族が存在し、北部にはアラブ系やイスラム教徒の遊牧民、南部には農耕を営む黒人系民族が多く居住している。
フランス統治下では南部出身者が行政や教育の機会を多く得たため、独立後も南北間の不均衡が続いた。
1960年の独立以降、北部勢力の不満が高まり、1970年代には内戦が勃発した。
1980年代にはイドリス・デビ前大統領ら北部出身の軍事勢力が権力を掌握し、以後も政権は特定民族による支配体制を維持した。
こうした偏った権力構造が他の部族の反発を招き、反政府勢力との武力衝突を誘発している。
