イスラム過激派がマリ北部の基地襲撃、30人超死亡=報道
5月31日の攻撃ではマリ軍の基地が、6月1日の攻撃ではロシア民兵が標的になったという。
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国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力JNIM(Jama'at Nusrat al-Islam wal-Muslimin)がアフリカ西部・マリ共和国の軍事基地を攻撃し、30人を超える兵士が死亡した。現地メディアが2日に報じた。
それによると、JNIMは5月31日と6月1日にマリ北部の世界遺産都市トンブクトゥにある軍事基地を襲撃したとされる。
5月31日の攻撃ではマリ軍の基地が、1日の攻撃ではロシア民兵が標的になったという。
マリとその隣国ブルキナファソおよびニジェールは10年以上にわたってアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦ってきた。
3カ国は軍事クーデター後、旧宗主国フランスや米国との関係を断ち、サヘル諸国連合(AES)を形成してロシアに接近。マリ軍政はロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、一般市民を巻き込みながら過激派を掃討している。
3カ国では5月初めから基地や町で反乱勢力による襲撃が相次ぎ、400人を超える兵士が殺害されている。
マリ軍は声明で、「テロリストは軍部隊の防衛網に屈し、撤退を余儀なくされた」と述べたが、死傷者数には言及しなかった。
ロイター通信は情報筋の話しとして、2つの基地で30人を超える兵士が死亡したと伝えている。
AP通信は基地以外の場所でも戦闘が確認され、多くの死傷者が出たと報じた。
ソーシャルメディアで共有された動画には、数十人の反乱勢力とみられる武装兵が基地を制圧する様子が映っていた。
ある動画には迷彩柄の服を着た陸軍兵士とみられる男性の遺体を踏みつける集団が映っていた。これが現場で撮影されたかは不明である。
専門家によると、サヘル地域のイスラム過激派は軍備を強化するために軍の基地や拠点を攻撃し、銃器、爆発物、車両などを奪っているという。