スーダンで飢餓と感染症拡大、国連WHOが指摘
軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
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世界保健機関(WHO)は8日、アフリカ北東部・スーダンで飢餓と感染症が蔓延し、複数の地域で飢饉が確認され、2500万人が食料不安に直面していると警告した。
それによると、同国では昨年7月以来、約10万人がコレラに感染。ダルフール地方を含む複数の地域で飢饉が発生しているという。
WHOスーダン担当は声明で、「絶え間ない暴力はスーダンの医療システムを限界まで追い込み、飢餓、病気、絶望に満ちた危機をさらに悪化させている」と述べた。
またWHOは「栄養失調が病気の蔓延を加速させている」と指摘。「年内に5歳未満の子供約77万人が重度の急性栄養失調に陥ると予想している」と述べた。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も8日の声明で、隣国チャド東部の難民キャンプでコレラが発生したと明らかにした。
UNHCRのスーダン担当は声明で、「現在までに264人がポリオに感染し、少なくとも12人が死亡した」と述べた。
またUNHCRは「スーダンからの難民の受け入れを一時停止し、新たな感染を防ぐ措置を講じている」と明らかにした。
軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14か月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
RSFはダルフールを含む西部地域に深く根を下ろしており、国際社会の資金削減も人道支援を妨げている。