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リビア沿岸警備隊、移民救助中のNGO船舶に向けて発砲

リビア沿岸警備隊はEUから訓練、装備、資金提供を受けている。
アフリカ北部・リビアの港、沖合で保護された移民(Getty Images)

国際NGO「SOSメディテラネ」は25日、アフリカ北部・リビア沖で沿岸警備隊が移民船の救助作業を妨害したと明らかにした。

それによると、沿岸警備隊はメディテラネの船舶が国際水域で移民船を救助していた際、20分間にわたって発砲したという。

負傷者は報告されていないが、メディテラネの船舶が損傷したとのこと。

リビア沿岸警備隊はEUから訓練、装備、資金提供を受けている。

同沿岸警備隊はコメントを出していない。

SOSメディテラネは国際赤十字社・赤新月社連盟と提携し、ノルウェー船籍のオーシャン・バイキングを運航している。

オーシャン・バイキングは沿岸警備隊が発砲する中、87人の移民を救助し、イタリアに向かった。

リビアは2011年の革命以来、欧州への亡命を希望するアフリカ・中東・アジアの亡命希望者の中継地になっている。

同国で活動する人身売買組織は不安定な情勢を利用して利益を上げているとみられ、エジプト、アルジェリア、スーダンなど、少なくとも6カ国から移民を北部の海岸に移送。ゴムボートや木造船に乗せ、地中海に送り出している。

国連の専門機関である国際移住機関(IOM)によると、今年1月から7月末の間に、リビア沖で少なくとも434人の移民が死亡、611人が行方不明となり、1万4100人以上が沿岸警備隊に拿捕され、収容施設に送られたり、本国に送還されたという。

IOMは地中海ルートで2014年以降、3万人以上の移民が死亡または行方不明になったと報告している。

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