ジンバブエで長期作用型HIV予防薬「レナカパビル」の接種始まる
保健当局はこの薬を高リスク群に無料で提供し、感染拡大の抑制につなげる狙いだ。
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アフリカ南部・ジンバブエで長時間作用型のHIV(ヒト免疫不全ウイルス)予防薬「レナカパビル(商品名:シュンレンカ)」の初期接種が本格的に開始された。保健当局はこの薬を高リスク群に無料で提供し、感染拡大の抑制につなげる狙いだ。
新薬は年に2回の注射で長期間の予防効果が得られるもので、従来の毎日服用する経口PrEP(感染予防内服薬)と比べて継続が容易だと期待されている。国連合同エイズ計画(UNAIDS)によると、サハラ以南アフリカでは新規HIV感染者の多数が女性や若年層など高リスク集団に集中し、予防手段の改善が急務とされている。
首都ハラレ郊外の医療施設では若い女性や乳児を抱えた母親、男性らが長い列を作り、移動クリニックでレナカパビルの注射を受けた。27歳の女性はAP通信の取材に対し、従来の内服PrEPが仕事の都合や薬の内容を他人に見られることへの抵抗感から継続が難しかったと語り、今回の注射で「安心して生活できるようになった」と述べた。
レナカパビルは米国の製薬大手が開発し、米政府によるエイズ救済緊急計画(PEPFAR)やグローバル・ファンドなどの支援の下で導入が進められている。ジンバブエ保健省は初期段階で約4万6000人を対象に24の接種サイトで提供する予定とし、今後さらに回数や対象者を拡大する計画だと説明している。
HIVの感染予防には、これまで経口PrEPに加え、コンドームや短時間作用型注射薬など複数の選択肢が存在したが、継続率の低さが課題となっていた。レナカパビルは半年ごとの投与で済むため、特に不規則な生活を送る人々にとって有効な手段とみられている。
一方で、保健専門家の中には、薬の効果を最大限に引き出すにはインフラ整備や資金確保が不可欠だと指摘する声もある。多くのアフリカ諸国では医療体制が脆弱で、安定的な供給やフォローアップに課題が残るためだ。国際的な支援の継続や地域医療の強化が、長期的な予防戦略にとって重要になるとされる。
ジンバブエ政府は今回の導入が同国でのHIV新規感染の抑制に寄与すると期待しており、今後も他の予防法と併せて普及を進める方針だ。専門家はレナカパビルが若年女性やセックスワーカー、同性愛者など感染リスクの高い集団にとって重要な選択肢となる可能性を示している。
