◎ケニアはハイチの国連支援ミッションを率いており、今年6月、首都ポルトープランスに警察官約400人を派遣した。
2024年10月10日/ケニア、首都ナイロビ、ルト大統領(右)とハイチのコニーユ首相(AP通信)

中米ハイチコニーユ(Garry Conille)首相が10日、アフリカ東部・ケニアに到着した。

コニーユ氏は11日にルト(William Ruto)大統領と会談する予定である。

ケニアはハイチの国連支援ミッションを率いており、今年6月、首都ポルトープランスに警察官約400人を派遣した。

コニーユ氏は記者会見で、「国連による安全保障サポートの強化と期間延長を加速させたい」と語った。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年半ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

中部アルティボニット県では先週、地元で「グラン・グリフ」と呼ばれているギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

ルト氏は先月、ハイチを訪問し、コニーユ氏ら政府高官と会談。来年1月までに600人の警察官を追加派遣すると約束した。

しかし、国連ミッションが抱える問題が解決される見通しは立っていない。要員、予算、装備が圧倒的に不足しているのだ。

ミッションの予算は6億ドルだが、これまでのところ、資金を提供しているのは米国(3億8000万ドル)とカナダ(8500万ドル)だけである。

ハイチ政府はミッションを現在の安全保障支援から国連の委任統治下に置かれる平和維持ミッションに格上げするよう求めている。

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